相続の市場規模はどれくらい?公的データでみる日本の相続【2026年版】

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相続は、いま日本でどれくらいの規模で起きているのでしょうか。

「大相続時代」という言葉は目にするものの、実際の数字までは知らないという方は多いのではないでしょうか。

本記事は、国税庁・厚生労働省・総務省・内閣府・裁判所が公表している公的統計の実数だけを使って整理したデータ解説です。

数字を並べてみると、相続が特定の家庭に限った話ではありませんという実態が見えてきます。

なお、本記事は公表データの整理を目的としたものです。個別の税額計算やご家庭の事情に応じた判断には専門的な知識が必要になるため、具体的な進め方は専門家にご確認ください。

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当メディア『タクソウ(託す相続)』は、PR media株式会社(東京都渋谷区/2018年設立)が運営しています。代表取締役の藤森 何意は、相続の総合的な知識を持つ「相続診断士」の資格を保有。PR mediaは保険代理事業を展開するとともに、不動産の売買・賃貸管理を手がける企業グループに属し、相続対策と関わりの深い不動産・保険分野の実務知見を有しています。

当サイトの記事は、国税庁:相続税・贈与税に関する情報、国税庁:統計情報(相続税の申告事績等)、裁判所:司法統計、法務省 等の公的データと、グループでの不動産・保険業務における実務経験に基づいて作成しています。個別の税務・法律のご判断については、税理士・司法書士等の専門家へのご相談をおすすめしています。

目次

相続の市場規模|申告された財産は年24.5兆円

相続財産の金額が10年で1.57倍に増えたことを示す棒グラフ

まず、金額と件数の2つの角度から規模を確認します。

金額でみると年24兆5,415億円

国税庁の「令和6年分 相続税の申告事績の概要」によると、申告された相続財産の総額は24兆5,415億円でした。

平成27年分は15兆6,362億円だったため、10年前と比べて1.57倍に増えた計算になります。

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年分相続財産の金額死亡数
平成27年分15兆6,362億円129万人
令和元年分16兆7,524億円138万人
令和3年分19兆6,794億円144万人
令和5年分22兆7,107億円157万6,016人
令和6年分24兆5,415億円160万5,378人

※国税庁「相続税の申告事績の概要」各年分、厚生労働省「人口動態統計」より。2026年8月時点。

この24兆5,415億円は、相続税の申告があったご家庭のみを集計した金額です。相続税がかからなかったご家庭は含まれないため、日本全体で動いた財産はこれを上回ることになります。

件数でみると年約160万件

相続は人が亡くなったときに発生するため、年間の死亡数がそのまま発生件数の目安になります。

厚生労働省の人口動態統計によると、2024年の死亡数は160万5,378人で、初めて160万人を超えました。

365日で割ると、1日あたり約4,400件の相続が日本のどこかで発生している計算です。前年の157万6,016人からも、1年で約3万人増えています。

参考:令和6年分 相続税の申告事績の概要|国税庁

相続財産の内訳|最も多いのは現金・預貯金

相続財産の金額の構成比を示す円グラフ(令和6年分)

次に、その24兆5,415億円がどんな財産で構成されているのかを確認します。

現金・預貯金等が34.9%で最多

金額ベースで最も大きいのは、現金・預貯金等が34.9%で最多という結果でした。次いで土地30.2%、有価証券17.8%と続きます。

家屋・構築物は4.8%、その他が12.3%です。

現金・預貯金は金額が確定しており、法定相続分どおりに分けやすい財産です。一方で、口座が複数の金融機関に分散していると、把握と手続きに時間がかかる傾向があります。

土地と家屋を合わせると35.0%

土地30.2%と家屋・構築物4.8%を合計すると、土地と家屋を合わせて35.0%になります。

金額でいえば8兆5,975億円で、現金・預貯金等とほぼ同じ規模です。多くのご家庭では、これが「親が住んでいた実家」にあたります。

不動産は現金と違い、評価額を調べなければ金額が分かりません。しかも1つの不動産を複数の相続人で分けることは難しく、遺産分割の場面で論点になりやすい財産です。

不動産が相続でどのように評価されるのかについては、下記の記事にて詳しく解説しています。

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この10年の変化|土地が減り現金と有価証券が増加

相続財産の構成比が平成27年分から令和6年分でどう変わったかを示す横棒グラフ

構成比を10年前と比べると、受け継がれる財産の中身が変わってきていることが分かります。

土地は38.0%から30.2%へ

平成27年分の構成比は土地が38.0%で最大でしたが、令和6年分では30.2%まで下がりました。

つまり、土地は38.0%から30.2%へ低下し、最大項目の座を現金・預貯金等に譲ったことになります。

ただし、土地の比率が下がったのは金額が減ったからではありません。土地の金額は5兆9,400億円から7兆4,074億円へ増えており、他の財産がそれ以上に伸びた結果です。

有価証券は14.9%から17.8%へ

伸び率が最も大きかったのは有価証券です。

構成比は有価証券は14.9%から17.8%へ上昇し、金額では2兆3,368億円から4兆3,676億円へ、10年で約1.9倍になりました。

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財産の種類平成27年分令和6年分
土地38.0%30.2%
現金・預貯金等30.7%34.9%
有価証券14.9%17.8%
家屋・構築物5.3%4.8%
その他11.0%12.3%

※国税庁「相続税の申告事績の概要」平成27年分・令和6年分より算出。2026年8月時点。

株式や投資信託を持つ高齢世代が増えていることが背景にあると考えられます。証券口座は通帳のような形で残らないため、家族が存在に気づきにくい点には注意が必要です。

相続税がかかる割合|4.4%から10.4%へ

相続税の課税割合が4.4%から10.4%へ上昇したことを示す棒グラフ

相続税がかかるのは、亡くなった方全体のうちどれくらいなのでしょうか。

課税割合は10.4%で過去最高

令和6年分に相続税の申告書が提出された被相続人は16万6,730人でした。

死亡数160万5,378人に対する割合、いわゆる課税割合は10.4%で過去最高となり、初めて1割を超えています。

大きな転換点は2015年の基礎控除の引き下げです。改正前の平成26年分は4.4%・5万6,239人でしたが、令和6年分では人数にして約3.0倍に増えました。

1人あたりの平均額はむしろ縮小

意外に思われるかもしれませんが、課税対象が広がった結果、1人あたりの課税価格は縮小したという変化も起きています。

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項目平成26年分令和6年分
課税割合4.4%10.4%
申告があった被相続人数5万6,239人16万6,730人
1人あたりの課税価格2億407万円1億4,025万円
1人あたりの税額2,473万円1,946万円

※国税庁「相続税の申告事績の概要」平成26年分・令和6年分より。2026年8月時点。

改正前は資産が大きいご家庭に課税が集中していましたが、現在はより幅広い層が対象になっています。この1億4,025万円は課税された家庭に限った平均であり、日本全体の平均を示す数字ではありません。

残る約9割の家庭でも手続きは発生する

課税割合10.4%を裏返すと、およそ9割のご家庭には相続税がかかっていません。

相続税の有無にかかわらず必要になる手続き
  • 預貯金の名義変更・解約
  • 不動産の相続登記(2024年4月から義務化)
  • 相続人全員での遺産分割の話し合い

つまり相続税がかからなくても手続きは必要です。とくに相続登記は義務化されており、正当な理由なく期限内に登記しない場合は過料の対象になります。

相続する人の年齢|52.1%が60歳以上

遺産を相続した人の年齢構成を示す円グラフ(60歳以上が52.1%)

財産を渡す側だけでなく、受け取る側の年齢も高くなっています。

相続人の半数以上が60歳以上

内閣府の「令和6年度 年次経済財政報告」によると、相続人の52.1%が60歳以上でした。

50歳代が27.0%、49歳以下が20.6%で、50歳代を含めると約8割が50歳以上という構成です。

親が90代、子が70代という組み合わせは珍しくなくなりました。この状態は「老老相続」と呼ばれ、社会全体の課題として指摘されています。

高齢化がもたらす2つの課題

相続人が高齢になると、実務面で2つの課題が生じやすくなります。

1つは資産の滞留です。すでに生活基盤ができている世代が受け取るため、受け取った財産が使われないまま滞留しやすくなります。

もう1つは手続きの停滞です。相続人自身の判断能力が低下すると手続きが進みません。

参考:白書等(年次経済財政報告)|内閣府

空き家|900万戸のうち386万戸が使い道未定

空き家数と空き家率の推移を示す棒グラフと折れ線グラフ(1993〜2023年)

相続の増加が数字に現れている代表例が、空き家です。

空き家数は900万2千戸で過去最多

総務省の令和5年住宅・土地統計調査によると、空き家は900万2千戸で過去最多となりました。

空き家率も13.8%と過去最高です。1993年の447万6千戸から30年で約2倍に増えました。

使い道が決まっていないのは385万6千戸

空き家のうち、賃貸用・売却用・二次的住宅を除いた「その他空き家」に注目します。

このその他空き家は385万6千戸で、2018年と比べて36万9千戸増えました。総住宅数に占める割合は5.9%です。

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空き家の種類戸数構成比
賃貸用の空き家443万6千戸49.3%
その他空き家385万6千戸42.8%
二次的住宅(別荘など)38万4千戸4.3%
売却用の空き家32万6千戸3.6%

※総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」確報集計より。2026年8月時点。

一戸建に限ると、空き家352万3千戸のうち80.9%がこの区分にあたります。相続したものの使い道が決まっていない空き家が、実家の多くを占めていることがうかがえます。

管理が行き届かない状態が続くと、市区町村から助言や指導の対象になることがあります。

空き家を相続放棄する場合の注意点については、下記の記事にて詳しく解説しています。

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もめた事案|78.0%が遺産5,000万円以下

家庭裁判所の遺産分割事件を遺産の価額別に示した横棒グラフ(令和6年)

話し合いがまとまらず家庭裁判所に持ち込まれた事案のデータも見てみます。

1,000万円以下だけで35.6%

裁判所の司法統計によると、令和6年に認容・調停成立で分割をした事件は7,903件でした。

このうち遺産額1,000万円以下だけで35.6%にあたる2,810件を占めています。

1,000万円超5,000万円以下は3,354件で42.4%でした。両者を合わせると6,164件となり、5,000万円以下が78.0%を占めます。

財産の少なさは安心材料にならない

この数字が示しているのは、争いが資産家に限られた現象ではないという事実です。

財産が少なければもめないとは限りません。むしろ実家1軒が財産の中心という構成では、分け方の選択肢が限られます。

現金が少なく分けにくい財産が中心だと話し合いは難航します。財産の3分の1以上が不動産という構成比を踏まえると、多くのご家庭に当てはまる論点といえます。

どのような場面でもめやすいのかについては、下記の記事にてケース別に解説しています。

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参考:司法統計|裁判所/住宅・土地統計調査|総務省統計局

今後の見通し|2040年に年51兆円へ

年間の相続資産額が2040年に約51兆円へ拡大する見通しを示す棒グラフ

最後に、民間シンクタンクによる将来推計を確認します。

年間の相続資産額は51.0兆円まで拡大

日本総合研究所は、年間の相続資産額を足元で約46兆円と試算しています。

この金額は2030年に48.8兆円、2035年に50.4兆円と増え、2040年には51.0兆円まで拡大する見込みです。

三井住友信託銀行の試算では、30年間で650兆円弱が移るとされ、うち125兆円は地域をまたいで移動する見通しです。移動先として最も多いのは東京圏でした。

推計値の扱いには注意が必要

これらの数字は一定の前提を置いた試算にもとづくものです。

推計値であり確定した数字ではありません。人口や資産価格の動き次第で変動する点は押さえておきましょう。

課税割合についても同様です。税制は改正される可能性があるため、将来の税制を正確に見通すことはできません(2026年8月時点)。

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PR mediaがグループ横断で相続の相談に対応できることを示す図

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相続の相談先は、税理士なら税金、司法書士なら登記と専門分野ごとに分かれているのが一般的です。そのため「まず誰に聞けばいいのか分からない」という状態になりがちです。

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実家をどうするかという話と、財産全体をどう整えるかという話を、切り分けずに一度に相談できるのが特徴です。

相続が発生する前の段階でも問題ありません。時間に余裕があるうちのほうが、選べる方法は多く残っています。

いきなり相談するのは気が引けるという方は、まず1分のアンケートからお試しください。

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まとめ:公的データでみた日本の相続

本記事で参照した相続に関する公的データの主要な数字をまとめた図

本記事で確認した数字を振り返ります。

本記事で参照した主要な数字
  • 申告された相続財産の総額は24兆5,415億円で、10年前の1.57倍
  • 2024年の死亡数は160万5,378人で、1日あたり約4,400件が発生
  • 財産の内訳は現金・預貯金等34.9%、土地と家屋で35.0%
  • 課税割合は10.4%で過去最高、1人あたりの平均額はむしろ縮小
  • 空き家900万2千戸のうち385万6千戸が使い道未定
  • 家庭裁判所でもめた事案の78.0%は遺産5,000万円以下

課税割合が1割を超えたとはいえ、9割の家庭には相続税がかかりません。一方で、手続きや遺産分割はどのご家庭にも発生します。

大切なのは全体の規模を知ることではなく、数字を自分の家に置き換えることです。

財産の3分の1以上が不動産という構成を踏まえると、まず確認したいのは実家の価値と今後の方針でしょう。

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データ出典
相続財産の金額・課税割合国税庁「相続税の申告事績の概要」
死亡数厚生労働省「人口動態統計」
相続人の年齢構成内閣府「年次経済財政報告」
空き家数・空き家率総務省統計局「住宅・土地統計調査」
遺産分割事件裁判所「司法統計年報」

※いずれも2026年8月時点で公表されている最新値です。

なお、必要性を感じていても動けていない家庭が大半です。裏を返せば、いま少し動いておくだけで選べる選択肢は広がります。

何から始めればいいか迷ったら、まずは1分のアンケートから一歩を踏み出してみてください。

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この記事を書いた人

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PRmedia相続編集部は、相続に関する手続きや資産整理、不動産・生命保険・税金などの基礎知識を、初めての方にもわかりやすく発信する編集部です。

PR media株式会社では、代表取締役の藤森 何意と編集部員が、一般社団法人 相続診断協会認定の「相続診断士」資格を保有しています。

PR media株式会社を中心に、不動産投資・生命保険・賃貸管理・売買仲介に関わるグループ各社の知見も参考にしながら、「何から始めればよいかわからない」「誰に相談すべきかわからない」といった相続前後の悩みに寄り添う情報提供を行っています。

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