相続トラブルとは?よくある事例と防ぐ方法を初心者向けに解説

親や親族の相続が現実味を帯びてくると、「家族でもめることはあるのか」「何を準備すればよいのか」と不安を感じる方も少なくありません。

こんな悩みはありませんか
  • 相続ではどのようなトラブルが起こるのか知りたい
  • 自分の家がもめやすいか確認したい
  • トラブルを防ぐ方法や相談先を知りたい

相続トラブルは、財産の多い家庭だけの問題ではありません主な財産が実家などの不動産で分けにくい場合や、相続人どうしが疎遠な場合には、遺産が多くなくても意見がまとまりにくくなります。

また、遺言書の内容、生前贈与、預貯金の使い込み、介護への貢献などが原因で、家族間の認識が食い違うケースもあります。一方で、財産や家族の状況を早めに整理し、遺言書の作成や話し合いを進めておけば、トラブルのリスクを抑えることができるでしょう。

本記事では、相続トラブルのよくある事例、もめやすい家庭の特徴、トラブルが起きたときの対処法を初心者向けに分かりやすく解説します。

あらかじめ自分の家にどのようなリスクがあるかを把握できれば、今から取り組むべき準備や相談先を整理しやすくなります。

運営者情報

当メディア『タクソウ(託す相続)』は、PR media株式会社(東京都渋谷区/2018年設立)が運営しています。代表取締役の藤森 何意は、相続の総合的な知識を持つ「相続診断士」の資格を保有。PR mediaは保険代理事業を展開するとともに、不動産の売買・賃貸管理を手がける企業グループに属し、相続対策と関わりの深い不動産・保険分野の実務知見を有しています。

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目次

相続トラブルとは?「うちは大丈夫」とは限らない

相続トラブルとは何か(うちは大丈夫とは限らない)を示す見出し画像

相続トラブルは、資産家や多額の遺産がある家庭だけの問題ではありません。

遺産額がそれほど多くなくても、不動産などの分けにくい財産がある場合や、相続人の希望が食い違う場合には、トラブルへ発展することがあります。

相続トラブルとは遺産などで相続人どうしがもめること

相続トラブルとは、遺産の分け方や相続手続きなどをめぐって、相続人どうしの意見が対立することです。

一般的には、次のような問題を指します。

よくある相続トラブルの例
  • 遺言書の内容に納得できない相続人がいる
  • 一部の相続人だけが生前贈与を受けている
  • 誰がどの財産を受け継ぐかで意見が分かれる
  • 被相続人の預貯金が使い込まれた疑いがある
  • 介護などで貢献した相続人が多くの遺産を求める

原則として、相続人全員が合意できなければ、遺産分割協議は成立しません。遺産分割協議とは、被相続人が残した財産を誰がどのように受け継ぐか、相続人全員で話し合う手続きです。

話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所で遺産分割調停や審判を行うこともあります。

相続トラブルは遺産が少額でも・どの家庭でも起こる

相続トラブルは、遺産額が多い家庭に限って起こるものではありません。

裁判所の令和7年司法統計年報によると、家庭裁判所で申し立てが認められた、または調停が成立した遺産分割事件は、総数8,321件でした。そのうち、遺産額5,000万円以下の事件が全体の約4分の3(6,457件)を占めます。

引用:裁判所 令和7年司法統計年報(家事編)

家庭裁判所で扱われる遺産分割事件は、必ずしも高額な遺産をめぐるものばかりではないことが分かります。遺産額よりも、財産の内容や家族関係がトラブルに影響するケースも少なくありません。

例えば、主な遺産が実家だけの場合、次のような意見の違いが生じます。

実家をめぐる意見の違いの例
  • 実家に住み続けたい
  • 実家を売却して現金で分けたい
  • 実家を受け継ぐ人に代償金を支払ってほしい

代償金とは、特定の相続人が不動産などを取得する代わりに、ほかの相続人へ支払うお金です。

預貯金であれば金額に応じて分けやすい一方、不動産はそのまま均等に分けるのが難しい財産です。遺産額が高額でなくても、実家を誰が取得するかによって意見がまとまらないことがあります。

「財産が少ないから対策は必要ない」と判断せず、財産の種類や相続人の関係を確認しましょう。

よくある相続トラブルの事例

よくある相続トラブルの事例を示す見出し画像

相続トラブルは、財産の種類や家族関係によってさまざまです。特に、不動産の分け方、遺言書の内容、生前贈与、預貯金の管理、介護への貢献などをめぐって、相続人の意見が食い違うケースがあります。

代表的な事例と、もめる原因を整理すると以下のとおりです。

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事例もめる主な原因
不動産など分けにくい財産がある誰が取得するか、売却するか、評価額をいくらにするかで意見が分かれがち
遺言書の内容が不公平でもめる一部の相続人だけが多く財産を取得し、他の相続人との間で不公平感が生じる
一部の相続人が生前贈与を受けている贈与の有無や金額、遺産分割で考慮するかをめぐって対立する
預貯金の使い込みが疑われる引き出した目的や使途を確認できず、不信感が生じる
介護や貢献(寄与分)が報われない貢献した相続人と、ほかの相続人で評価が分かれる

不動産など分けにくい財産をめぐるトラブル

不動産は、相続トラブルの原因になりやすい財産の一つです。

例えば、父親の遺産が実家3,000万円と預貯金300万円で、相続人が長男と次男の2人だったとします。長男は実家に住み続けたいと考えている一方、次男は実家を売却して、遺産を平等に分けるのが希望です。

この場合、長男が実家を受け継ぐと、次男に渡せる現金が不足します。長男が自分の財産から次男へお金を支払う方法もありますが、十分な資金を用意できるとは限りません。

また、実家の価格についても、次のように意見が分かれることがあります。

実家の価格で意見が分かれる例
  • 長男は実家の評価額を低く考えている
  • 次男は不動産会社の査定額を基準にしたい
  • 修繕費や管理費を誰が負担するか決まらない
  • 売却せずに住み続けるか、現金化するかで希望が異なる

不動産は、預貯金のように金額に応じて簡単に分けられません。評価の基準によって金額も変わるため、取得方法や評価額をめぐって意見が対立しやすくなります。

遺言書の内容が不公平でもめるトラブル

遺言書があっても、相続トラブルを完全に防げるとは限りません。例えば、父親が「すべての財産を同居している長男に相続させる」という遺言書を残していたケースです。

長男は、「父親の介護や生活を支えてきたため当然の内容だ」と考えています。一方、次男や長女は「自分たちにも相続する権利がある」と不満を感じるかもしれません。

その他にも、遺言書の内容をめぐっては、次のような問題が生じがちです。

遺言書をめぐって問題になりやすいケース
  • 遺言書の形式に不備がある
  • 特定の相続人だけが多くの財産を取得する
  • 遺言書を作成した当時の判断能力に疑いがある
  • 一部の相続人が遺言書の作成に強く関与していた

遺言書が法律上有効でも、財産の配分に偏りがあると家族間の対立につながりやすいです。遺言書を作成する際は、財産の分け方だけでなく、なぜその内容にしたのかを家族に対して伝えましょう。

一部の相続人が生前贈与を受けている場合のトラブル

一部の相続人だけが生前贈与を受けていると、ほかの相続人から不公平感が生じやすくなります。

例えば、長男だけが被相続人から住宅購入資金として1,000万円を受け取っていたケースです。

相続が発生した後、長女がその事実を知り、「生前贈与を含めて公平に分けるべきだ」と主張しました。しかし、長男は「すでにもらった財産であり、遺産分割とは関係ない」と考えています。

一定の生前贈与は「特別受益」として、相続分を計算する際に考慮されます。特別受益とは、一部の相続人が婚姻や住宅購入などのために受けた一定の贈与について、相続人間の公平を図るために調整する仕組みです。

特別受益に該当する可能性がある主な贈与は、以下のとおりです。

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贈与の理由具体例
婚姻のための贈与まとまった結婚資金や支度金
養子縁組のための贈与養子縁組に伴って渡されたまとまった財産
生計の資本としての贈与住宅購入資金や開業資金など

ただし、すべての贈与が特別受益になるわけではありません。

贈与の目的や金額、被相続人の意思などによって扱いが変わります。生前贈与をする場合は、贈与した日付、金額、目的を記録し、家族にも分かる形で残しておくことが重要です。

預貯金の使い込みが疑われる場合のトラブル

被相続人の預貯金を管理していた家族が、使い込みを疑われるケースがあります。例えば、相続後に多額の出金が見つかったものの、領収書や記録が残っていない場合です。

具体的には、次の点が争いになりがちです。

争いになりやすいポイント
  • 何に使ったのか
  • 誰が引き出したのか
  • 被相続人の了承があったのか

生活費や医療費に使われた可能性もあるため、出金があるだけで使い込みとは断定できません。使途を確認できないことが、相続人どうしの不信感を招きます。

介護や貢献(寄与分)が報われないトラブル

被相続人の介護や事業を長く支えた相続人が、ほかの相続人より多くの遺産を求めるケースがあります。

特別な貢献があった場合は、遺産分割時に「寄与分」を主張することも可能です。

寄与分とは、被相続人の財産の維持や増加に貢献した相続人について、具体的な相続分を調整する仕組みです。ただし、通常の介護や手伝いがすべて対象になるわけではありません

寄与分を検討する際は、主に次のような事情が確認されます。

寄与分の判断で確認される主な事情
  • 本人が負担した費用
  • 介護や手伝いをした期間
  • 介護の内容や負担の程度
  • 仕事を減らしたことによる影響
  • 被相続人の財産の維持や増加への影響

介護や立替払いをしている場合は、日記、領収書、振込記録、介護サービスの利用記録などを残しておく必要があります。

相続でもめやすい(手続きが進みにくい)家庭の特徴

相続でもめやすい家庭の特徴を示す見出し画像

相続トラブルは、財産の多さだけで決まるものではありません。相続人どうしの関係や家族構成によっては、連絡や話し合いに時間がかかり、遺産分割を進めにくくなってしまいます。

まずは、自分の家庭に当てはまる項目がないか確認しましょう。

相続人どうしの仲が悪い・疎遠

相続人どうしの仲が悪い場合は、遺産の分け方を冷静に話し合うことが難しくなります。

また、普段ほとんど連絡を取っていない兄弟や親族が相続人になると、連絡先の確認だけでも時間がかかります。

過去の不満や親の介護をめぐる感情が残っていると、本来は財産について話し合う場でも、別の問題が持ち出されかねません。

日頃の関係が薄い場合は、相続が発生してから急に話し合うのではなく、早めに連絡を取れる状態を整えておきましょう

相続人の数が多い

相続人が多い家庭では、それぞれの生活状況や希望が異なるため、意見の調整に時間がかかります。

例えば、財産を早く現金化したい人がいる一方で、急いで手続きを進めたくない人もいるでしょう。また、相続人が遠方や海外に住んでいる場合は、書類のやり取りや日程調整も複雑になります。

相続人の人数だけでなく、全員の住所や連絡先を把握できているかも確認しておくことが大切です。

子どもがおらず、親や兄弟姉妹が相続人になる

子どものいない夫婦では、配偶者だけが相続人になるとは限りません。

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家族の状況配偶者以外に相続人になる人
子どもがいる子ども
子どもがいない父母や祖父母などの直系尊属
子どもがいない
父母や祖父母などもいない
兄弟姉妹

※配偶者は、いずれの場合も常に相続人

配偶者が、普段交流の少ない義理の親や兄弟姉妹と遺産分割について話し合うケースもあります。

夫婦の一方が「財産はすべて配偶者が受け継ぐ」と考えていても、法律上の相続人が別にいるケースもあります。子どもがいない家庭では、相続人の範囲を事前に確認してください

再婚・内縁のパートナー・前婚の子など家族関係が複雑

再婚家庭では、現在の配偶者と前婚の子など、日頃交流のない人どうしが相続人になることがあります。お互いの生活状況や被相続人との関係をよく知らないと、不信感が生じやすくなります。

また、婚姻届を提出していない内縁のパートナーは、法律上の配偶者ではないため法定相続人に含まれません。内縁のパートナーへ財産を残したい場合や、前婚の子などがいる場合は、遺言書をはじめとする生前の準備を検討する必要があります。

参考:国税庁 No.4132 相続人の範囲と法定相続分

認知症など判断が難しい相続人がいる

相続人が遺産分割協議の内容を理解し、意思表示することが難しい状態であれば、そのまま協議を進めることはできません。この場合、成年後見制度などの利用が必要になります。

成年後見制度とは、認知症などで判断能力が十分でない人について、後見人(本人の代わりに法律行為などを行う人)を選び、財産管理などを支援する制度です。ただし、申立てから審判まで時間がかかることもあるため、手続きの長期化も見越して検討してください。

参考:裁判所 成年後見制度(後見・保佐・補助)の概要を知りたい方へ

遺言書がない・生前の対策をしていない

遺言書がない場合は、相続人どうしで話し合って決める必要があるため、それぞれの希望が異なると調整に時間もかかりがちです。

特に、生前に相続について話していない家庭では、次のような情報が分からないこともあります。

生前に話していないと分からないこと
  • 誰が相続人になるのか
  • どのような財産や借金があるのか
  • 家族の中で誰が何を引き継ぎたいのか
  • 被相続人が財産をどうしてほしいと考えているのか

当メディアの調査では、終活について親や家族と「具体的に話し合ったことがある」と答えた人は約10.3%でした。一方、「話したことはない」と答えた人は約50.3%です。(当メディア調査・2026年6月/回答300名)

この結果から、親の資産や希望について、具体的な話し合いまで進められていない家庭が多い実態がうかがえます。

遺言書を作成するだけで、すべてのトラブルを防げるわけではありません。

しかし、あらかじめ本人を含めた話し合いを行い、本人の希望や財産の全体像を把握しておけば、相続発生後の相続人どうしの話し合いもスムーズに進めやすくなります。

専門家の補足

相続の準備では、財産額だけを調べて終わるのではなく、「誰と話し合う必要があるか」を確認することが欠かせません。特に、疎遠な兄弟姉妹や前婚の子がいる場合は、相続が発生してから初めて連絡を取るケースもあります。

あらかじめ戸籍をもとに相続人の範囲を確認し、家族関係や連絡先を整理しておくと、手続きの遅れや認識の食い違いを抑えやすくなるでしょう。

相続トラブルが起きたときの対処法

相続トラブルが起きたときの対処法を示す見出し画像

相続人どうしの話し合いがまとまらないときは、段階を踏んで解決を目指すことになります。

ここでは、相続トラブルが起きたときの対処法について解説します。

まずは相続人どうしの話し合い(遺産分割協議)

相続トラブルが起きたときは、遺産分割協議による話し合いが第一です。

話し合いを始める前に、次の内容について確認しておくとスムーズに進みやすくなります。

話し合いの前に確認したいこと
  • 有効な遺言書が残されているか
  • どのような遺産や借金があるのか
  • 生前贈与や使途不明の出金がないか
  • 各相続人がどの財産を希望しているか

なお、相続人全員が参加していない遺産分割協議は成立しません。また、一部の財産を隠したまま合意すると、後に追加の協議が必要になったり、合意の有効性が争われたりするおそれがあります。

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まとまらなければ遺産分割調停・審判

相続人どうしで合意できない場合は、家庭裁判所へ遺産分割調停を申し立てます。

遺産分割調停では、裁判所が当事者から事情や希望を聞き、必要に応じて資料を確認しながら、合意による解決を目指します。

裁判所が一方的に分け方を決めるのではなく、第三者を交えて話し合いを進める手続きです。合意できれば調停が成立し、その内容に基づいて遺産を分けます。

一方、話し合いがまとまらず調停が不成立になると、自動的に遺産分割審判へ移ります。審判とは、裁判官が財産の種類や性質、相続人の事情などを踏まえて最終的な判断を下す仕組みです。

参考:裁判所 遺産分割調停

遺言書の有効性などの争点によっては訴訟で解決を目指す

遺産分割調停や審判の後は、必ず訴訟へ進むわけではありません。遺産の分け方そのものは、調停が不成立になると審判で判断されます。

ただし、次のような争点があるときは、訴訟による解決が必要になるケースもあります。

訴訟での解決が必要になりやすい争点
  • 遺言書が有効か無効か
  • 不動産や預貯金が誰のものか
  • 預貯金の使い込みがあったか
  • 特定の財産が遺産に含まれるか
  • 遺留分としていくら支払うべきか

例えば、「実家を誰が取得するか」は遺産分割の問題です。しかし、「そもそも実家は被相続人の財産ではない」と争われている場合は、財産が誰のものなのかを確定させる手続きが必要になります。

そもそも遺留分とは?

遺留分とは、兄弟姉妹以外の一定の相続人に保障されている、最低限の取り分です。被相続人が遺言書ですべての財産を一人に渡すと定めていても、遺留分を持つ相続人は、侵害された金額を請求できます。

遺留分が認められる人は、以下のとおりです。

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相続人遺留分
配偶者ある
子どもや孫などの直系卑属ある
父母や祖父母などの直系尊属ある
兄弟姉妹や甥・姪ない

例えば、「長男にすべての財産を相続させる」という遺言書があっても、配偶者やほかの子どもには遺留分が認められます。

ただし、遺留分があるからといって、自動的に財産を受け取れるわけではありません。権利を行使するには、財産を取得した相手へ請求しなければなりません

遺留分を侵害されたら遺留分侵害額請求

遺留分侵害額請求とは、侵害された遺留分に相当する金銭の支払いを求める手続きです。侵害されていたのが不動産であっても、そのものを返してもらうのではなく、原則として金銭で解決します。

遺留分侵害額請求の一般的な流れは、以下のとおりです。

遺留分侵害額請求の流れ
  1. 遺言書や財産の内容を確認する
  2. 遺留分の侵害額を検討する
  3. 相手へ請求する意思を伝える
  4. 当事者どうしで支払額を話し合う
  5. 合意できなければ家庭裁判所の調停を利用する
  6. 調停でも解決しなければ訴訟を検討する

なお、遺留分侵害額請求には期限があります。相続の開始と遺留分を侵害する贈与・遺贈を知った時から1年、または相続開始から10年を経過すると、原則として請求できなくなります。遺贈とは、遺言によって財産を渡すことです。

遺留分を侵害された可能性があるときは、期限を過ぎる前に弁護士へ相談しましょう。

専門家の補足

相続トラブルが起きると、早く終わらせたい気持ちから、十分に内容を確認せず合意してしまうケースがあります。しかし、一度遺産分割協議書へ署名すると、後から内容を変更するのは簡単ではありません。

財産の全体像が分からない、使い込みの疑いがある、遺言書の内容に納得できないといった事情があるときは、急いで署名せず、資料を整理したうえで専門家へ相談することがポイントです。

相続トラブルを未然に防ぐ方法

相続トラブルを未然に防ぐ方法を示す見出し画像

相続トラブルは、発生してから解決を目指すよりも、生前に備えておくほうが負担が軽減されます。

ここでは、相続トラブルを未然に防ぐ方法をご紹介します。

遺言書を作成しておく(公正証書遺言がおすすめ)

一般的な遺言書は3種類ありますが、相続トラブルを防ぐ方法としては、公正証書遺言がおすすめです。

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遺言書の種類主な特徴検認
公正証書遺言公証人が作成に関与し、原本が公証役場などで保管される不要
自筆証書遺言遺言者が自分だけでも作成可能で、法務局の自筆証書遺言書保管制度も利用できる自宅などで保管した場合は必要
法務局で保管した場合は不要
秘密証書遺言内容を秘密にしたまま封印し、公証人と証人2名の前で自分の遺言書であることを申告する必要

公正証書遺言は、遺言者本人が公証人と証人2名の前で意思を伝え、公証人が内容を文書にまとめる遺言書です。原本が公証役場などで保管され、相続開始後の家庭裁判所による検認も必要ありません。

検認とは、相続人に遺言書の存在と内容を知らせ、日付や署名、訂正の状態などを確認して、偽造や改ざんを防ぐための手続きです。遺言書が法律上有効か無効かを判断するわけではないため注意しましょう。

なお、自筆証書遺言は法務局の自筆証書遺言書保管制度が利用できます。遺言書紛失のリスクがなくなるほか、検認も不要です。ただし、法務局が内容の有効性を保証する制度ではない点には注意が必要です。

参考:裁判所 遺言書の検認

参考:法務局 自筆証書遺言書保管制度について

遺留分に配慮した内容にする

遺言書を作成しても、一部の相続人に大きく偏っていると、遺留分をめぐるトラブルにつながります。

遺言書を作成するときは、先述した遺留分にも配慮が必要です。

遺留分への備えとしては、次の方法が考えられます。

遺留分への備えの例
  • 遺言書に付言事項を記載する
  • 不動産を取得しない相続人には現金を残す
  • 各相続人の遺留分を踏まえて配分を決める

付言事項とは、財産の分け方を決めた理由や、家族への思いを遺言書に書き添えるものです。法的な強制力はありませんが、本人の考えを伝える手段の1つです。

生前贈与や生命保険で分けやすくしておく

不動産など分割しにくい財産が多い場合、生前贈与や生命保険を使って現金を用意する方法があります。

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方法相続トラブル対策での役割注意点
生前贈与生前に財産を移し、相続時の財産配分を調整する贈与の記録や税金の確認が必要
生命保険受取人へ現金を残し、納税や財産配分に活用する契約者・被保険者・受取人の設定を確認する

生前贈与を行う場合は、贈与した日付、金額、目的を記録してください。一部の家族だけに贈与した理由が共有されていないと、不公平感につながるおそれがあります。

被相続人が保険料を負担していた死亡保険金について、受取人が相続人の場合は、「500万円×法定相続人の数」まで相続税の非課税枠があります(2026年7月時点)。ただし、税務上の扱いは契約形態によって異なるため、契約内容も確認が必要です。

参考:国税庁 No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金

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家族で早めに話し合っておく

相続トラブルを防ぐには、本人の希望を家族に伝えておくことが欠かせません。

当メディアの調査では、親と相続について話し合うことを「絶対に必要」「できれば必要」と答えた人は、あわせて約78.3%でした。一方、金額や分け方まで具体的に話したことがある人は10.0%にとどまっています。(当メディア調査・2026年5月/回答300名)

この結果から、必要性を感じながらも、具体的な話し合いまで進められていない家庭が多い実態がうかがえます。話しにくいのであれば、最初から財産額や取り分まで決める必要はありません

まずは、次のような話題から始める方法があります。

話し合いの糸口になる話題の例
  • 遺言書を作成しているか
  • 介護や財産管理を誰に頼みたいか
  • 実家を残したいか、売却してもよいか
  • 保険や預貯金の情報をどこに保管しているか

本人の希望と家族の考えを共有しておけば、相続後の認識の食い違いを減らしやすくなるでしょう。

相続トラブルは弁護士など専門家に相談を

相続トラブルの相談先(弁護士など専門家)を示す見出し画像

相続の相談先は、抱えている問題によって異なります。相続人どうしの争いは弁護士、相続税の申告は税理士、不動産の名義変更は司法書士が主な相談先です。

弁護士に相談・依頼するメリット

弁護士は、相続に関する法律問題について助言し、依頼者に代わってほかの相続人と交渉できます。

主なメリットは、以下のとおりです。

弁護士に依頼する主なメリット
  • ほかの相続人との交渉を任せられる
  • 遺産分割調停や審判に対応してもらえる
  • 遺留分侵害額請求の期限や金額を確認してもらえる
  • 遺言書の有効性や使い込みをめぐる訴訟を依頼できる

感情的な対立が強いと、相続人だけでは冷静な話し合いが難しくなりがちです。弁護士に代理を依頼すれば、相手と直接やり取りする負担を減らし、法的な根拠に沿って交渉を進めやすくなります。

ただし、相談しただけで希望どおりに解決するとは限りません。依頼前に、対応する業務の範囲や費用、見通しについて説明を受けたうえで依頼するかを決めましょう。

内容別の相談先(弁護士・税理士・司法書士)

相続では、法律、税金、登記など複数の手続きが関係します。

それぞれの専門家へ相談できる主な内容は、以下のとおりです。

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専門家主な相談内容相談を検討したいケース
弁護士相続人との交渉、遺産分割調停・審判、訴訟、遺留分など相続人どうしでもめている
法的な請求を受けている
税理士相続税の計算・申告、税務上の財産評価、税金に関する相談相続税がかかる
申告方法や税額が分からない
司法書士不動産の相続登記、法務局へ提出する書類の作成など相続した土地や建物の名義を変更したい

ただし、複数の問題が重なっているときは、一人の専門家だけで手続きが完結しないこともあります。例えば、弁護士へ遺産分割を依頼し、税理士に相続税申告、司法書士に相続登記を依頼する形です。

専門家の補足

相談先に迷ったときは、「現在すでにもめているか」を一つの基準にすると整理しやすいです。

たとえば、相続人から強い主張や請求を受けている、話し合いを拒否されている、調停を申し立てられたといった状況では、弁護士への相談を優先してください。

まだトラブルが起きておらず、不動産の分け方や納税資金などを整理したい段階であれば、資産全体を確認し、生前の選択肢を比較する方法もあります。

早めに財産の内容を整理しておけば、必要な専門家や手続きを判断しやすくなります。

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相続トラブルの代表的な原因の一つが、実家や土地などの分けにくい不動産です。

主な財産が不動産に偏っていると、「誰が引き継ぐか」「売却するか」「ほかの相続人へ渡す現金をどう用意するか」で意見が分かれやすくなります。

まだ相続トラブルが起きていない段階であれば、財産の内容や家族の希望を整理し、分けやすい状態に整えておくことが予防につながります

こんな悩みはありませんか
  • 「ほかの相続人へ渡す現金を準備したい」
  • 「実家を残すべきか、売却すべきか迷っている」
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このような悩みがある方は、PR mediaへの無料相談をご活用ください。

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対応サービス不動産の評価・売却・組み替え・リースバック、生命保険・生前贈与などの選択肢の整理
相談できる内容分けにくい不動産の扱い、財産の現金化、相続人へ分けやすい資産構成、争族対策など
強み不動産・保険など複数の方法を横断して比較できる
向いている人相続トラブルに備えたい方、不動産が多い方、財産の分け方に不安がある方
料金の目安無料相談に対応

PR mediaでは、不動産を残すことだけを前提にせず、評価、売却、組み替え、リースバックなどの選択肢を比較できます。

例えば、実家を売却して現金化すれば、相続人間で財産を分けやすくなります。一方、住み続けたい人がいる場合は、リースバックや別の不動産への組み替えも選択肢です。

リースバックとは、自宅を売却した後、買主と賃貸借契約を結んで住み続ける仕組みを指します。住まいを維持しながら現金を確保する方法の1つです。

ただし、どの方法が適しているかは、資産状況や家族構成、本人と相続人の希望によって異なります。特定の商品や方法を先に決めるのではなく、相続全体を確認したうえで比較してください。

PR mediaは法的紛争を解決する窓口ではなく、もめる前に財産を分けやすく整えるための相談先です。相続トラブルへの備え方に迷っている方は、PR mediaへの無料相談も視野に入れてみてください。

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相続トラブルに関するよくある質問

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ここでは、相続トラブルに関するよくある質問にお答えします。

相続トラブルが多いのはどんな財産ですか?

相続トラブルにつながりやすいのは、不動産などの分けにくい財産です。主な遺産が実家だけで預貯金が少ないと、取得を希望する人と売却を望む人で意見が分かれやすくなります。不動産の評価額をいくらと考えるかも、対立の原因の一つです。共有名義にすれば解決するとは限らず、将来の管理や売却で全員の合意が必要になります。相続前に、不動産を残すか、売却して現金化するかを整理しておきましょう。

相続トラブルの相談は弁護士にするといくらかかりますか?

弁護士費用は一律ではなく、法律事務所や依頼内容によって異なります。具体的な費用には、以下のようなものがあります。

  • 相談料
  • 着手金
  • 解決結果に応じた報酬金
  • 裁判所へ納める費用などの実費

東京弁護士会の遺言相続相談では、相談料を30分5,500円としていますが、無料相談を設ける事務所も増えてきました。相続トラブルは、遺産額や相続人の数、調停・訴訟の有無でも総額が変わるため、依頼前に料金体系と追加費用などを確認しておきましょう。

相続トラブルを防ぐために今からできることは?

今からできることは、財産の整理と家族での話し合いです。まず、預貯金、不動産、生命保険、借入金などを一覧にし、家族が確認できる状態にしておきます。実家など分けにくい財産がある場合は、誰が引き継ぐか、売却するかも検討が必要です。本人の希望は遺言書に残し、遺留分への配慮も忘れないようにしてください。家族構成や財産の内容によって適した備えは異なるため、判断に迷った段階で専門家へ相談することも有効です。

まとめ:相続トラブルのリスクを減らすには早めの備えが重要

相続トラブルのまとめ(早めの備えが重要)を示す見出し画像

相続トラブルは、遺産が多い家庭だけの問題ではありません。実家など分けにくい不動産がある場合や、相続人どうしが疎遠な場合には、遺産の分け方をめぐって意見が食い違うことがあります。

特に、不動産が財産の大部分を占める家庭では、誰が引き継ぐか、売却して現金化するかを早めに検討してください。生命保険や生前贈与を組み合わせ、相続人へ分けやすい財産を用意する方法もあります。

ただし、すべての相続トラブルを確実に防げるわけではありません。家族構成や財産の内容によって適した対策は異なるため、独力で判断せず、専門家への相談も視野に入れるべきです

相続トラブルへの備えや不動産の扱いに悩んでいる方は、PR mediaへの無料相談もご活用ください。不動産の評価・売却・組み替えや生命保険などを比較することで、ご家庭に合った準備をしましょう。

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PR media株式会社を中心に、不動産投資・生命保険・賃貸管理・売買仲介に関わるグループ各社の知見も参考にしながら、「何から始めればよいかわからない」「誰に相談すべきかわからない」といった相続前後の悩みに寄り添う情報提供を行っています。

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