実家を片付けたり手放したりすることを考えると、寂しさや罪悪感を覚える方も少なくありません。長く過ごした家には、家族との思い出や自分の記憶が重なっているためです。
- 思い出のある実家をなくしたくない
- いつから実家じまいを始めればよいのか分からない
- 片付けや処分には、どのくらいの費用がかかるのだろう
このように、気持ちの整理がつかない一方で、現実的な手続きや費用が気になっている方もいるでしょう。実家じまいは、気持ちを置き去りにして急いで進める必要はありません。
一方、誰も住まない実家をそのままにすると、建物の管理や固定資産税などの負担が続くおそれがあります。家族の状況を確認しながら、無理のない時期に今後の方針を考えることが大切です。
本記事では、実家じまいを寂しいと感じる理由と気持ちをやわらげる方法を紹介します。あわせて、始めるタイミングや具体的な進め方、費用の目安についても分かりやすく整理します。
本記事を読むことで、気持ちと現実の両面を整理しながら、自分や家族に合った実家じまいの進め方を考えやすくなるでしょう。
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当メディア『タクソウ(託す相続)』は、PR media株式会社(東京都渋谷区/2018年設立)が運営しています。代表取締役の藤森 何意は、相続の総合的な知識を持つ「相続診断士」の資格を保有。PR mediaは保険代理事業を展開するとともに、不動産の売買・賃貸管理を手がける企業グループに属し、相続対策と関わりの深い不動産・保険分野の実務知見を有しています。
当サイトの記事は、国税庁:相続税・贈与税に関する情報、国税庁:統計情報(相続税の申告事績等)、裁判所:司法統計、法務省 等の公的データと、グループでの不動産・保険業務における実務経験に基づいて作成しています。個別の税務・法律のご判断については、税理士・司法書士等の専門家へのご相談をおすすめしています。
実家じまいが寂しいと感じるのはなぜか

実家じまいとは、親の家や自分が育った家を整理し、今後の扱いを決めることです。家財の片付けだけでなく、家を残すか手放すかを家族で考えることも含まれます。
実家には、長い時間をかけて積み重なった家族の記憶があります。そのため、実家じまいを考えたときに寂しさを覚えるのは自然な反応といえるでしょう。
寂しさが生まれる背景には、建物を失うことだけではなく、家族や自分自身の変化も関係しています。
思い出の詰まった場所を手放す喪失感
実家は、単なる土地や建物ではありません。子どものころから過ごした部屋や家族で囲んだ食卓など、さまざまな記憶と結びついています。
例えば、次のような場所や物に思い入れがある方もいるでしょう。
- 成長の記録が残った柱や壁
- 家族で食事をした居間や台所
- 親が長年使っていた家具や日用品
- 家族写真や手紙などの思い出の品
- 子どものころに使っていた自分の部屋
こうした場所を片付けると、過去の出来事まで失われるように感じてしまうものです。実家じまいへの寂しさには、思い出の場所を手放す喪失感も関係しています。
親の老いや家族の変化と向き合うことになる
実家じまいは、親の高齢化や家族構成の変化を実感するきっかけにもなります。親が施設に入った場合などは、これまでの暮らしが変わったことを意識しやすくなるでしょう。
実家じまいを通して、次のような変化と向き合うことがあります。
- 親を亡くし、家族構成が変わった
- 子どもが独立して家族が集まる機会が減った
- 兄弟姉妹がそれぞれ別の地域で暮らしている
- 親が以前と同じ生活を続けることが難しくなった
実家を整理することが、家族の変化を受け入れる節目になることもあります。そのため、家そのものへの愛着とは異なる寂しさを感じる方も多いはずです。
自分の帰る場所がなくなるように感じる
実家を離れて長い年月が経っていても、「帰省すれば帰れる場所」と感じている方は少なくありません。実際に訪れる機会が減っていても、存在自体が安心感につながることがあります。
実家に対しては、次のような思いを抱く方も多いでしょう。
- いつでも帰れる場所だと感じている
- 自分が育った場所として特別な思いがある
- 自分の原点を思い出せる場所だと感じている
- お盆や年末年始に家族が集まる場所になっている
実家じまいによって、その場所がなくなると考えると、自分の居場所まで失うようにも感じます。現在の住まいとは異なる意味で、実家が心のよりどころになっているためです。
近所や地域とのつながりが途切れる
実家への愛着は、家の中だけにあるとは限りません。近所の人や昔から通っていた店など、地域とのつながりも実家の思い出の一部です。
特に長く同じ地域で暮らしていた場合は、次のようなつながりが残っている場合もあります。
- 地域のお祭りや行事
- 親族や友人との交流
- 親がお世話になった地域の人
- 昔から利用していた店や施設
- 子どものころから付き合いのある近所の人
実家を手放すことで、その地域を訪れる理由が少なくなることもあります。家だけでなく地域とのつながりまで薄れていく感覚が、寂しさにつながることもあるでしょう。
実家じまいの寂しさをやわらげる方法

実家じまいへの寂しさは、無理に消そうとする必要はありません。思い出を残したり家族と気持ちを共有したりすることで、少しずつ整理しやすくなるでしょう。
写真や動画で家の様子を残す
実家を手放しても、写真や動画があれば家の様子を後から振り返れます。建物の外観だけではなく、普段目にしていた風景も記録しておくとよいでしょう。
例えば、次のような場所を残しておく方法があります。
- 家の外観や玄関
- 自分が使っていた部屋
- 家族で過ごした居間や台所
- 庭やベランダから見える景色
- 柱の傷や壁の落書きなどの思い出
- 家族が長年使ってきた家具や食器
動画で玄関から各部屋を歩いて撮影すると、家の広さや生活していたときの雰囲気も残せます。ただし、すべてを保存しようとすると撮影自体が負担になってしまうため注意しましょう。
特に残しておきたい場所から記録するだけでも十分です。
持ち帰る思い出の品を絞る
実家にある物をすべて残すことは難しくても、特に思い入れのある品を選んで持ち帰る方法も有効です。実家そのものを残せなくても、思い出の一部を手元に残せます。
持ち帰る候補としては、次のような物があります。
- 手紙や年賀状
- 家族写真やアルバム
- 親が大切にしていた小物
- 思い出のある食器や置物
- 家族で共有したい記念品
- 自分が子どものころに使っていた物
判断に迷う物は、その場ですぐに処分する必要はありません。「残す」「家族に確認する」などに分けておくと、後から落ち着いて判断できます。
大きな家具など持ち帰ることが難しい物は、写真に残す方法もあります。物を残すことだけが、思い出を残す方法ではありません。
家族で思い出を語り合う時間をつくる
実家じまいを家族と一緒に進める場合は、作業だけで終わらせず思い出を話す時間をつくるのも一つの方法です。自分では覚えていなかった出来事を、家族が覚えていることもあります。
例えば、次のような方法なら無理なく取り入れられるでしょう。
- 家族それぞれが残したい物を選ぶ
- 実家で印象に残っている出来事を話す
- 最後に家族で実家を訪れる機会をつくる
- アルバムを見ながら当時の出来事を話す
- 思い出の品について誰の物だったか確認する
思い出を共有すると、実家を「なくなる場所」としてだけ捉えずに済みます。家族の記憶として残していくきっかけにもなるでしょう。
同じ経験をした人の体験談に触れる
実家じまいを経験した人の体験談を読むことも、気持ちを整理する方法の一つです。同じように寂しさを感じた人の経験を知ると、自分の感情を客観的に捉えやすくなる場合もあります。
体験談を見るときは、次の点に注目してみるのがおすすめです。
- 何を思い出として残したか
- 家族とはどのように話し合ったか
- 実家を手放した後にどのように感じたか
- どのタイミングで実家じまいを始めたか
- 後悔したことや、やってよかったことは何か
ただし、実家への思いや家族関係は人によって異なります。他の人と同じように進めようとせず、自分に取り入れられそうな部分だけを参考にするとよいでしょう。
ひとりで抱え込まず周囲に相談する
実家じまいについて迷っているときは、ひとりだけで結論を出そうとしないことも大切です。自分の気持ちを誰かに話すだけでも、何に迷っているのかを整理しやすくなります。
相談相手は、悩みの内容によって選ぶのも良い方法です。
| 相談相手 | 相談しやすい内容 |
|---|---|
| 家族・親族 | 思い出の品や実家を今後どうするか |
| 友人・知人 | 寂しさや迷いなど気持ちの整理 |
| 不動産の専門家 | 売却・賃貸・活用など実家の選択肢 |
| 税理士 | 相続税や売却時の税金に関する判断 |
| 司法書士 | 相続登記など不動産の名義に関する手続き |
| 弁護士 | 相続人同士で意見がまとまらない場合など |
実家を売るか残すかまで決めていなくても、専門家に相談することは可能です。まずは取り得る選択肢を知ることで、自分や家族が納得できる進め方を考えやすくなるでしょう。
寂しくても実家じまいを考えたほうがよい理由

実家への気持ちの整理がつかないまま、急いで手放す必要はありません。一方で、誰も住まない状態が長く続くと、管理や費用の負担が続くおそれがあります。
実家をすぐに処分するかどうかではなく、まずは今後の扱いを考えておくことが大切です。ここでは、空き家のままにしておくことで生じる主な問題を解説します。
空き家のまま放置すると管理の負担が続く
実家が空き家になっても、建物や敷地の管理は必要です。人が住まなくなると換気や清掃の機会が減り、建物の傷みに気づきにくくなるおそれがあります。
空き家を所有している間は、例えば次のような管理が必要です。
- 庭木や雑草の手入れ
- 雨漏りや外壁などの点検
- 郵便物や敷地周辺の確認
- 室内の換気や建物の状態確認
- 固定資産税や修繕費などの負担
特に実家が遠方にある場合は、定期的に訪れるだけでも時間や交通費がかかります。すぐに手放さない場合でも、誰がどのように管理するのかを家族で決めておくとよいでしょう。
空き家の管理義務や手放す選択肢については下記の記事にて詳しく解説しています。

特定空家に指定されると固定資産税が上がる場合がある
適切に管理されていない空き家は、状態によって「管理不全空家」や「特定空家」として扱われることがあります。根拠となるのが「空家等対策の推進に関する特別措置法」です。
2023年12月に施行された改正法では、特定空家になる前の段階として「管理不全空家」が新たに設けられました。2026年8月時点の主な違いは次のとおりです。
| 区分 | 主な状態・扱い |
|---|---|
| 通常の空き家 | 適切な管理が行われている状態 |
| 管理不全空家 | 放置すれば特定空家になるおそれがあり、適切な管理が行われていない状態 |
| 特定空家 | 倒壊のおそれや衛生上の問題など、周囲に著しい悪影響を及ぼす状態 |
市区町村は、管理不全空家や特定空家の所有者に対して指導などを行います。その後も改善されず「勧告」を受けると、敷地が住宅用地特例の対象から外れるおそれがあります。
住宅用地特例とは、住宅が建っている土地の固定資産税などを軽減する制度です。
住宅用地のうち、1戸あたり200㎡以下の部分にあたる「小規模住宅用地」は、固定資産税の課税標準が6分の1に軽減されます。200㎡を超える部分にあたる「一般住宅用地」は、課税標準が3分の1です。
一方で、勧告を受けて特例が適用されなくなってしまうと、土地の固定資産税の負担が増えるおそれがあるため注意しましょう。
参考:国土交通省「空家法とは」
建物は時間が経つほど売却しにくくなる
空き家の状態が長く続くと、老朽化や損傷が進むおそれがあります。放置期間が長くなるほど売買や賃貸が難しくなってしまうでしょう。
売却するときに影響しやすい建物の状態には、次のようなものが考えられます。
| 建物の状態 | 考えられる影響 |
|---|---|
| 雨漏りや外壁の傷みがある | 修繕が必要になるおそれがある |
| 水回りや設備が劣化している | 購入後の修繕費がかかる可能性がある |
| 庭木や雑草が繁茂している | 管理状態が悪い印象につながることがある |
| 家財が大量に残っている | 内覧や引き渡し前の片付けが必要になる |
| 建物全体の老朽化が進んでいる | そのまま売る・貸すことが難しくなるおそれがある |
なお、築年数が古いかどうかに関係なく、不動産は必ず売却できるわけではありません。立地や土地の価値、建物の管理状態によっても条件は変わります。
実家を売るかどうか決めていない段階でも、建物の状態は把握可能です。気持ちの整理を進めながら、今後どのような選択肢があるのかを家族で考えていくとよいでしょう。
管理不全空家や特定空家に該当しただけで、直ちに住宅用地特例が外れるわけではありません。市区町村から指導を受けた後も改善されず、勧告を受けた土地が特例の対象外です。
実家を残す場合も、定期的な点検や管理方法を決めておくことが大切です。遠方に住んでいて管理が難しいときは、自治体の空き家相談窓口の活用も検討しましょう。
実家じまいを始めるタイミングの目安

実家じまいを始める時期に、すべての家庭に共通する正解はありません。親の生活状況や家族の気持ちを確認しながら、話し合いやすいタイミングを見つけることが大切です。
当メディアの調査では、実家の今後に向けて「特に何もしていない」と回答した人が約79.3%でした。実家のことが気になっていても、具体的な行動に移せていない家庭は多いことがうかがえます。(当メディア調査・2026年6月/回答300名)
ここでは、実家じまいについて考え始めるきっかけとなるタイミングをご紹介します。
親が施設や病院に長く入ることになったとき
親が施設へ入居したり長期入院したりすると、実家で暮らす人がいなくなるケースも多いです。今後も実家に戻る予定があるのか、家族で確認する一つのタイミングになるでしょう。
まずは、次のような点を確認すると話し合いやすくなります。
- 親の希望
- 今後住む予定
- 空き家になる期間
- 誰が家を管理するか
親が意思を伝えられる状況であれば、本人の希望を確認することも大切です。すぐに売却や処分を決めるのではなく、実家を残す場合も含めて今後の方向性を考えます。
相続が発生して四十九日を過ぎたころ
親を亡くした直後は、葬儀や公的手続きなどへの対応が続きます。四十九日を過ぎ、家族が今後について話せるようになった時期を一つの目安にしてもよいでしょう。
実家については、例えば次の項目を確認します。
- 遺言書の有無
- 相続人の確認
- 財産や負債の確認
- 実家に対する家族の意向
ただし、四十九日は相続手続きの法律上の期限ではありません。相続放棄など、四十九日とは別に期限が進んでいる手続きもあります。そのため、気持ちの整理を急ぐ必要はありませんが、期限のある相続手続きは並行して確認しておくことが大切です。
亡くなった後の手続きの優先順位と期限については下記の記事にて詳しく解説しています。

建物の傷みが目立ってきたとき
実家の傷みが目立つようになったときも、今後の扱いを考えるきっかけになります。すぐに処分するのではなく、まず建物の状態を確認してみましょう。
例えば、次のような変化がないか確認します。
- 雨漏り
- 雑草の繁茂
- 窓や設備の故障
- 屋根や外壁の傷み
修繕して残すのか、別の活用方法を考えるのかによって必要な対応は異なります。家族だけで判断が難しい場合は、不動産会社などに建物の状態や選択肢を確認するのも有効です。
家族が集まる機会(法事・お盆・年末年始)
法事やお盆、年末年始なども実家について話し合いやすいタイミングです。普段は離れて暮らす家族が集まるため、それぞれの考えを確認しやすくなります。
話し合う内容としては、以下を参考にしてみてください。
- 親の希望
- 家族の意向
- 今後の利用予定
- 誰が管理を担うか
この段階で無理に結論を出す必要はありません。「今後どうしたいと思っているか」を共有するだけでも、次に確認すべきことが見えやすくなります。
家族が集まったときに少しずつ話しておけば、実際に実家じまいが必要になった際も、意見を整理しやすくなるでしょう。
実家じまいの進め方

実家じまいは、家財を処分するだけで終わるものではありません。家族で今後の方針を決めたうえで、片付けや名義変更などを順番に進めます。
2026年8月時点における基本的な流れは、次の6STEPです。
| STEP | 主な内容 |
|---|---|
| STEP1 | 家族で方針を話し合う |
| STEP2 | 家の中の物を片付ける |
| STEP3 | 不用品の処分方法を決める |
| STEP4 | 仏壇や神棚の扱いを決める |
| STEP5 | 相続登記など名義の手続きをする |
| STEP6 | 売却・賃貸・解体など家の処分方法を決める |
実際の順番は、相続の状況や家族の事情によって変わるケースもあります。特に相続放棄を検討している場合は、遺産を処分する前に専門家へ確認することが大切です。
STEP1 家族で方針を話し合う
最初に、実家を今後どうしたいのか家族で話し合います。この段階で売却などの結論まで出す必要はなく、それぞれの希望を共有することから始めてもよいでしょう。
まず確認したい内容は、次のとおりです。
- 親の希望
- 家族の意向
- 誰が管理するか
- 今後誰かが住むのか
- 家財を誰が引き取るのか
- 売却や賃貸を検討するのか
当メディアの調査では、実家の今後について親や家族と「話したことはない」と回答した人が52.0%でした。半数以上が、まだ具体的な話し合いをしていないことが分かります。(当メディア調査・2026年6月/回答300名)
親が元気なうちに実家じまいを考える場合は、本人の意向を確認することも大切です。「売るか残すか」だけではなく、どのような状態なら納得できるのかまで話すと方向性を整理しやすくなります。
なお、相続が発生していて負債が多い場合は、相続放棄も選択肢の一つです。相続放棄は、自分のために相続が始まったことを知った時から原則3か月以内に家庭裁判所で手続きします。
相続放棄を検討している場合は、実家や家財を自己判断で処分しないよう注意してください。判断に迷うときは、弁護士などの専門家に確認しましょう。
参考:裁判所「相続の放棄の申述」
STEP2 家の中の物を片付ける
実家の方向性を確認したら、家の中にある物を少しずつ整理します。一度ですべて片付けようとせず、部屋や種類ごとに範囲を決めると進めやすくなります。
迷ったときは、次のように分類してみましょう。
- 残す物
- 処分する物
- 売却できる物
- 家族に確認する物
- 判断を保留しておく物
最初から「残す・捨てる」の2択にすると、思い出の品まで短時間で判断する必要が生じます。決められない物を一時的に保留する場所をつくる方法も有効です。
また、通帳や権利証などは片付けの途中で見つかるケースが生じがちです。重要書類は不用品と混ざらないよう、別の場所にまとめて保管してください。
STEP3 不用品の処分方法を決める
不要と判断した物は、種類や量に合わせて処分方法を選びます。
主な選択肢を整理すると、次のようになります。
| 処分方法 | 向いている物・特徴 |
|---|---|
| 自治体のごみ回収 | 家庭ごみとして処分できる物 |
| 粗大ごみ回収 | 家具など自治体が指定する大型ごみ |
| 買取 | 再販売できる家具・家電・貴金属など |
| 寄付 | 再利用でき、受入先の条件を満たす物 |
| 不用品回収業者 | 自分たちで運び出すことが難しい物など |
大量の家財がある場合は、自治体の収集だけでは時間がかかることもあります。買取などの専門業者を組み合わせると、負担を減らせる場合もあるため検討してみましょう。
ただし、家庭から出る廃棄物の収集にはルールがあります。不用品回収業者を利用するときは、市区町村の許可や委託を受けているか確認してください。
環境省も、家庭の廃棄物について無許可の回収業者を利用しないよう注意を呼びかけています。処分方法が分からない場合は、まず実家のある市区町村の案内を確認しましょう。
参考:環境省「家電リサイクル法 Q&A」
STEP4 仏壇や神棚の扱いを決める
仏壇や神棚がある場合は、ほかの家財とは分けて扱いを考えます。宗派や地域によって考え方が異なることから、家族だけでは判断しにくいため注意しましょう。
困った際の相談先の目安は、次のとおりです。
| 対象 | 主な相談先 |
|---|---|
| 仏壇 | 菩提寺、寺院、仏壇店など |
| 位牌 | 菩提寺、寺院など |
| 神棚 | 神社、神具店など |
仏壇では、処分や移動にあわせて「閉眼供養」を行うことがあります。閉眼供養とは、仏壇や位牌を移動・処分する際に行われる供養です。
ただし、必要な儀式や方法は宗派によって異なります。神棚についても扱い方に決まった一律のルールがあるわけではないため、地域の神社などに確認するとよいでしょう。
STEP5 相続登記など名義の手続きをする
相続によって実家を取得した場合は、不動産の名義を変更する「相続登記」を進めなければなりません。2024年4月1日から、相続登記の申請は義務化されています。
2026年8月時点の主なルールは、以下になります。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 義務化開始 | 2024年4月1日 |
| 基本的な期限 | 不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内 |
| 申請先 | 不動産の所在地を管轄する法務局 |
| 主な相談先 | 法務局、司法書士 |
2024年4月1日より前の相続でも、相続登記をしていない不動産は義務化の対象です。以前から相続したことを知っていた場合、原則として2027年3月31日までに申請する必要があります。
また、相続した実家を売却する場合、亡くなった方の名義のままでは登記申請を進められません。先に相続登記を行い、相続人へ名義を移してから売却手続きを進めます。
参考:法務省「相続登記の申請義務化について」
相続手続きを自分で進める場合の判断の目安は下記の記事にて詳しく解説しています。

STEP6 売却・賃貸・解体など家の処分方法を決める
家財や名義を整理したら、実家を今後どのように扱うか検討します。実家じまいは、必ず売却や解体をしなければならないものではありません。
主な選択肢には、次のようなものがあります。
| 選択肢 | 主な考え方 |
|---|---|
| 維持する | 将来自分や家族が利用する予定がある場合 |
| 賃貸する | 所有しながら住宅として活用したい場合 |
| 売却する | 今後利用する予定がなく、手放したい場合 |
| 買取を依頼する | 仲介以外の方法で売却したい場合 |
| 解体する | 建物の状態や土地の活用方法を踏まえて検討する場合 |
どの方法が適しているかは、実家の立地や建物の状態によって変わります。家族の希望や今後の利用予定も、選択肢を決めるうえで重要です。
まだ気持ちの整理がついていない場合、すぐに一つの方法へ決める必要はありません。まず実家の状態や価値を把握し、どのような選択肢があるのかを比較するところから始めましょう。
相続放棄を検討している場合は、実家じまいの進め方に注意が必要です。不要に見える家財でも、相続財産として価値を持つ場合があります。
相続財産を売却したり処分したりすると、内容によっては相続を承認したものと扱われるおそれがあります。相続放棄を考えている間は、価値のある家財や不動産を自己判断で処分しないほうが安全です。
実家じまいにかかる費用

実家じまいでは、家財の片付けや不用品の処分などに費用がかかります。建物を解体したり売却したりする場合は、さらにまとまった費用が必要になることもあります。
ここでは、実家じまいにかかる費用についてまとめました。
片付け・不用品処分の費用
自分たちで実家を片付ける場合は、自治体のごみ収集を利用すると費用を抑えられるという場合もあります。ただし、粗大ごみの料金や回収できる品目は自治体によって異なります。
公的な料金例は次のとおりです。
| 自治体 | 粗大ごみなどの料金例 |
|---|---|
| 大阪市 | 1点200円・400円・700円・1,000円の4区分 |
| 札幌市 | 品目に応じて200円〜1,800円 |
※2026年8月時点。料金や対象品目は自治体によって異なります。
参考:大阪市「粗大ごみ処理手数料一覧表」
参考:札幌市「大型ごみ手数料」
大阪市では、たんすや食器棚なども大きさによって料金が変わります。札幌市でも、家具や家電ごとに処理手数料が設定されています。
このように、粗大ごみの費用は全国一律ではありません。実家がある市区町村の公式サイトで、対象品目と料金を確認してください。
遺品整理業者に依頼する場合の費用
自分たちだけで片付けることが難しい場合は、遺品整理業者への依頼も検討してみましょう。遺品の仕分けから搬出や清掃まで、まとめて依頼できることもあります。
複数の事業者が公開している料金の一般的な目安は、次のようになります。
| 間取り | 公開されている料金例 |
|---|---|
| 1K | 3万〜4万円台から |
| 1LDK | 8万〜10万円程度から |
| 2LDK | 12万〜15万円程度から |
| 3LDK | 18万〜21万円程度から |
| 4LDK | 22万〜25万円程度から |
※2026年8月時点。荷物の量や搬出経路によって金額は変わります。
参考:一般社団法人遺品整理サポートセンター「トップページ」
参考:一般社団法人飛鳥「費用のご案内」
ただし、同じ間取りでも料金が同じになるとは限りません。荷物の量や搬出経路によって、作業人数や車両の台数が変わるためです。
料金に影響しやすい要素には、以下のようなものがあります。
- 荷物の量
- 部屋の広さ
- 作業する人数
- 階段や搬出経路
- 家電のリサイクル費用
- 清掃や供養などの追加作業
国民生活センターも、遺品整理サービスは作業内容や料金が事業者によって異なると注意を促しています。複数社から見積もりを取り、料金と作業範囲を比較することが大切です。
見積もりでは、追加料金や処分費が含まれているかも確認しましょう。家庭の廃棄物を収集・運搬する事業者については、市区町村の許可や委託の有無も確認してください。
参考:独立行政法人国民生活センター「遺品整理を頼むときは、事業者選びは慎重に」
解体する場合の費用
実家を解体する場合は、建物の構造や広さによって費用が変わります。立地条件によっても差が大きいため、一律の金額を示すことはできません。
解体費用に影響する主な要因は、次のとおりです。
- 建物の構造
- 建物の延べ面積
- 重機が入れるか
- 廃材の量や種類
- 塀や物置などの撤去
- アスベストへの対応
- 道路や敷地の広さなどの立地条件
公的な参考値として、国土交通省の令和7年度空き家対策モデル事業では、除却工事の補助対象額について上限単価が設けられています。木造は1㎡あたり3万3,000円、非木造は4万7,000円です。
ただし、これは実際の解体工事の「全国相場」を示す金額ではありません。補助対象経費を算定する際の上限であり、実際の見積額は建物ごとに異なります。
崖地や狭い敷地では、通常とは異なる工法が必要になることもあります。解体を検討するときは複数の事業者から見積もりを取り、工事範囲まで比較してください。
参考:国土交通省「令和7年度 空き家対策モデル事業について」
売却するときにかかる費用
実家を売却すると、売却代金をそのまま全額受け取れるわけではありません。不動産会社への仲介手数料や契約書の印紙税などがかかる場合もあります。
売却時は、主に以下の費用を確認しておきましょう。
| 費用 | 内容 |
|---|---|
| 仲介手数料 | 不動産会社に仲介を依頼した場合に支払う |
| 印紙税 | 紙の不動産売買契約書などにかかる |
| 登記に関する費用 | 抵当権抹消などが必要な場合にかかる |
| 測量費 | 境界確認などが必要な場合にかかる |
| 譲渡所得税など | 売却で利益が生じた場合に課税されることがある |
なお、税金は取得費や売却価格などによって変わります。具体的な税額や特例を利用できるか判断したい場合は、税理士に確認してください。
使える補助金がないか自治体に確認する
実家の解体や改修では、自治体の補助制度の利用も想定されます。ただし、全国どこでも同じ制度が用意されているわけではありません。
補助の対象になりうるのは、次のような工事です。
- 改修
- 耐震化
- 空き家の解体
- 空き家の利活用
- 家財の処分や片付け
国土交通省も、空き家を解体する場合は市区町村の補助を受けられることがあると案内しています。一方で、制度ごとに条件も異なるため確認時には注意が必要です。
| 確認項目 | 主な内容 |
|---|---|
| 対象者 | 所有者や相続人などの要件 |
| 対象住宅 | 空き家の期間や建物の状態 |
| 対象工事 | 解体、改修、家財処分など |
| 補助額 | 補助率や上限額 |
| 申請時期 | 工事前の申請が必要か |
| 施工業者 | 市内業者などの指定があるか |
補助金を前提に工事を進める前に、実家がある自治体の公式サイトや窓口を確認してください。契約や工事を始めた後では、対象外になる制度もあります。
まとまった費用を用意することが難しい場合は、実家の売却代金を費用に充てられるか検討する方法もあります。売却前に費用の支払いが必要なこともあるため、不動産会社や事業者に資金の流れを確認しておきましょう。
実家じまいでは、「総額が安いか」だけで業者を選ばないことが大切です。特に確認したいのは、次の項目です。
- 追加料金
- 作業の範囲
- 廃棄物の処分方法
- キャンセル時の費用
- 家電リサイクル料金の扱い
- 見積もりに含まれない作業
見積書には、どこまでの作業が料金に含まれているのかを確認しましょう。
実家じまいで迷ったらPR mediaへ無料相談

実家じまいでは、すぐに売却や解体を決める必要はありません。「実家をこの先どうすればよいか分からない」という段階から、選択肢を整理することが大切です。
当メディアの調査では、相続した実家に自分が住まない場合の扱いについて、約36.7%が「分からない・決めていない」と回答しました。実家を残すか手放すか、すぐには決められない方も少なくないことがうかがえます。(当メディア調査・2026年6月/回答300名)
PR mediaでは、相続を入口として実家の今後を幅広く整理できます。主な対応内容は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実家の評価 | 現在の不動産価値を把握する |
| 不動産の活用 | 賃貸など、保有しながら活用する方法を検討する |
| 売却・買取 | 仲介による売却や空き家買取などを比較する |
| リースバック | 売却後も住み続ける方法を検討する |
| 生命保険 | 相続や今後の資金に関する選択肢を整理する |
| 生前贈与 | 将来の相続を見据えた資産の引き継ぎ方を考える |
| 強み | 売る・貸す・残すを含め、複数の方法を横断して検討できる |
PR mediaの特徴は、最初から売却だけを前提にしないことです。実家を残したい気持ちがある場合は、その思いも踏まえて今後の方法や選択肢について整理してみましょう。
例えば、実家の価値を確認した結果によっては、賃貸として活用する方法も考えられます。売却を検討する場合も、仲介や空き家買取など複数の選択肢があります。
リースバックを利用し、実家を売却した後も住み続ける方法が合うこともあるでしょう。生命保険や生前贈与を含め、家族全体の資産について考えることもできます。
ただし、PR mediaが実家の片付け作業や遺品整理を直接行うわけではありません。具体的な税務判断は税理士、相続登記は司法書士など専門家の領域です。必要に応じて、それぞれの専門家に相談することが大切です。
実家への気持ちが整理できていない段階でも、無理に結論を出す必要はありません。まずは、実家について何に迷っているのかを整理するところから始めてみてください。
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実家じまいに関するよくある質問

ここでは、実家じまいに関するよくある質問にお答えします。
まとめ:実家じまいの寂しさは自然な気持ち。早めの準備と相談を

実家じまいで寂しさを感じるのは、決して珍しいことではありません。思い出の詰まった場所を手放すことに、喪失感を覚えるのは自然なことです。
写真や動画で家の様子を残したり、持ち帰る思い出の品を選んだりする方法もあります。家族で思い出を語る時間をつくることで、気持ちを整理しながら進めやすくなるでしょう。
一方で、空き家の状態が長く続くと管理の負担が続くおそれがあります。管理状態によっては、固定資産税の負担に影響することもあります。気持ちを大切にしながらも、今後の扱いを考えておくことが大切です。
なお、どの方法を選択するにしても、すぐに結論を出す必要はありません。まずは家族の希望や実家の状態を整理し、必要に応じて専門家へ相談する方法もあります。
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