相続税の節税対策とは?生前・相続後にできる方法と注意点を専門家が解説

相続税の節税対策とは何か、生前・相続後にできる方法と注意点を専門家が解説するアイキャッチ画像

親や親族の相続が現実味を帯びてくると、「相続税は節税できるのか」「何から準備すればよいのか」と不安を感じる方も多いでしょう。

この記事は、次のような方に向けて書いています。

こんな方におすすめ
  • 生前と相続後でできる対策を整理したい
  • 自分の家に相続税がかかるのか不安がある
  • 相続税の節税方法を初心者にも分かりやすく知りたい

当メディアの調査でも、相続税や終活に関する相談・情報収集について、「相続税がかかるかの簡易診断」に関心がある人は約36.6%でした。「節税・生前対策」に関心がある人も27.0%と、相続税の有無や早めの備えに関心を持つ人は多いです。(当メディア調査・2026年5月/回答300名)

相続税の節税対策には、生前贈与、生命保険、不動産の活用、小規模宅地等の特例など、さまざまな方法があります。

ただし、相続税対策は税金を減らすことだけを考えればよいわけではありません。納税資金の確保や、家族間のトラブルを防ぐための準備も大切です。

本記事では、相続税がかかる仕組みや基礎控除、生前にできる対策、相続後に使える制度を分かりやすく解説します。

相続税の節税に関する全体像をつかめれば、自分の家で何を優先すべきかを整理しやすくなります。早めに準備を始めることで、将来の税負担や家族の不安を減らす一歩につながります。

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当メディア『タクソウ(託す相続)』は、PR media株式会社(東京都渋谷区/2018年設立)が運営しています。代表取締役の藤森 何意は、相続の総合的な知識を持つ「相続診断士」の資格を保有。PR mediaは保険代理事業を展開するとともに、不動産の売買・賃貸管理を手がける企業グループに属し、相続対策と関わりの深い不動産・保険分野の実務知見を有しています。

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目次

相続税の節税とは?まずは相続税の仕組みを知ろう

相続税の仕組みと基礎控除を解説する見出し画像

相続税の節税を考える前に、相続税がどのような税金なのかを知ることからはじめましょう。

まずは、相続税の基本的な仕組みを確認します。

そもそも相続税とは(誰に・何にかかる税金か)

相続税とは、亡くなった方から財産を受け継いだときに、一定の条件でかかる税金です。

亡くなった方のことを「被相続人」といいます。被相続人から財産を受け取る人が「相続人」です。

相続税の対象になる財産には、主に次のようなものがあります。

相続税の対象になる主な財産
  • 預貯金
  • 自動車
  • 生命保険金
  • 貴金属や骨董品
  • 土地や建物などの不動産
  • 株式や投資信託などの有価証券
  • 亡くなる前に贈与された一定の財産

一方で、借入金や未払い金、葬式費用などは、相続財産から差し引ける場合があります。

つまり、相続税は「受け継いだ財産の合計額」だけで判断するものではありません。プラスの財産とマイナスの財産を整理したうえで、相続税がかかるかどうかを確認する必要があります。

参考:No.4102 相続税がかかる場合|国税庁

相続税がかかる人・かからない人

相続税は、財産を受け継いだ人すべてに必ずかかるわけではありません。

基本的には、相続財産の合計額から債務や葬式費用などを差し引いた「正味の遺産額」が、基礎控除を超える場合に相続税がかかります。

正味の遺産額とは、相続税を考えるときの財産の実質的な金額のことです。分かりやすくいえば、プラスの財産から借金などを差し引いた金額を指します。

相続税がかかるかどうかは、次のように整理できます。

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状況相続税の考え方
正味の遺産額が基礎控除以下原則として相続税はかからない
正味の遺産額が基礎控除を超える相続税がかかる可能性がある
財産の中に不動産や有価証券がある評価方法によって金額が変わる場合がある
生前贈与や生命保険金がある一定のルールにより相続税の対象になる場合がある

例えば、預貯金だけであれば金額を把握しやすいです。

一方で、土地や建物、有価証券、生命保険金、生前贈与がある場合は、相続税の判断が複雑になることがあります。相続税がかかるか分からない場合は、まず財産の全体像を整理しましょう

相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)

相続税がかかるかを判断するうえで、特に確認したいのが「基礎控除」です。基礎控除とは、相続税を計算するときに、相続財産から差し引ける金額を指します。

相続税の基礎控除は次の計算式で求めます。

相続税の基礎控除額(2026年7月時点)

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

法定相続人とは、民法で定められた相続する権利がある人のことです。配偶者は常に相続人になり、配偶者以外では、子ども、親、兄弟姉妹が順番に相続人になります。

例えば、法定相続人が配偶者と子ども2人の合計3人であれば、基礎控除額は次のとおりです。

3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円

この場合、正味の遺産額が4,800万円以下であれば、原則として相続税はかかりません。

法定相続人の数ごとの基礎控除額は、以下のようになります。

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法定相続人の数基礎控除額
1人3,600万円
2人4,200万円
3人4,800万円
4人5,400万円
5人6,000万円

ただし、実際の相続税額は、財産の評価方法、配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例などによって変わります。基礎控除はあくまで「相続税がかかるかどうかを考える最初の目安」として押さえましょう。

参考:No.4152 相続税の計算|国税庁

専門家の補足

相続税の現場でよくあるのは、「預貯金だけ見て、相続税はかからないと思っていた」ケースです。

実際には、実家の土地や建物、生命保険金、生前贈与などを含めると、基礎控除を超えてしまうことが多いです。相続税の節税を考える前に、まずは財産を一覧にして、自分の家に相続税がかかる可能性があるかを確認しておくことがポイントです。

相続税の節税で押さえたい3つの考え方

相続税の節税で押さえたい3つの考え方(節税・納税資金・争族対策)を示す見出し画像

相続税対策というと、「できるだけ税金を減らすこと」と考えがちです。

しかし、相続税対策で大切なのは、税額を下げることだけではありません。相続税を支払うためのお金を準備したり、家族間のもめごとを防いだりすることも重要です。

相続税の節税を考えるときは、次の3つの視点をバランスよく整理しましょう。

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考え方内容主な対策
節税相続税の負担を軽くする生前贈与/生命保険/不動産活用/小規模宅地等の特例など
納税資金の確保相続税を払うためのお金を用意する生命保険/預貯金の整理/不動産売却の検討など
争族(争続)対策相続人同士のもめごとを防ぐ遺言書/家族での話し合い/財産の見える化など

税負担を軽くする「節税」

相続税の節税とは、制度や特例を活用し、相続税の負担を軽くするための対策です。

代表的な節税対策には、次のようなものがあります。

代表的な節税対策
  • 生前贈与を活用する
  • 配偶者の税額軽減を活用する
  • 生命保険の非課税枠を活用する
  • 小規模宅地等の特例を活用する
  • 不動産を活用して相続税評価額を下げる

ただし、節税対策は家族構成や財産の種類によって向き不向きがあります。

例えば、不動産を活用した対策は相続税評価額を下げられる可能性がありますが、空室リスクや管理費、修繕費なども考えなければなりません。「相続税を減らせそう」と急いで進めるのではなく、自分の家庭に合う方法かどうかを確認しながら検討しましょう。

払うお金を用意する「納税資金の確保」

相続税対策では、税額を下げることと同じくらい、納税資金の確保も大切です。納税資金とは、相続税を支払うためのお金のことです。相続税がかかる場合、原則として期限までに納付する必要があります。

特に、相続財産の多くが不動産の場合は注意が必要です。土地や建物は財産としての価値があっても、すぐに現金化できるとは限りません。

納税資金を準備する方法には、次のようなものがあります。

納税資金を準備する方法
  • 生命保険を活用する
  • 預貯金を整理しておく
  • 相続後に売却できる不動産を確認しておく
  • 相続税がかかる可能性を早めに確認しておく
  • リースバックなど資金化の選択肢を知っておく

例えば、不動産が多い家庭では、「どの不動産を残すか」「どの不動産を売却できるか」を整理しておくと、納税時の選択肢を持ちやすくなります。

一方で、相続税の節税だけを考えると、納税に使える現金が不足するおそれがあります。税金を減らす対策とあわせて、支払うお金をどう用意するかも考えておきましょう。

もめごとを防ぐ「争族(争続)対策」

相続税対策では、家族間のもめごとを防ぐ視点も欠かせません。

相続で家族が争う状態を、俗に「争族」や「争続」と呼ぶことがあります。相続税の金額だけでなく、誰がどの財産を受け継ぐかで意見が分かれるケースも少なくありません。

争族対策としては、次のような準備が考えられます。

争族対策として考えられる準備
  • 遺言書の作成を検討する
  • 財産の内容を一覧にしておく
  • 生命保険の受取人を整理する
  • 家族で早めに相続について話し合う
  • 不動産を誰が引き継ぐか考えておく

当メディアの調査では、親と相続について話し合うことを「絶対に必要だと思う」「できれば必要だと思う」と答えた人は、あわせて約78.3%でした。(当メディア調査・2026年5月/回答300名)

一方で、実際に「具体的に話したことがある」と答えた人は10.0%にとどまっています。

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質問回答
親と相続の話し合いは必要だと思う約78.3%(「絶対に必要」+「できれば必要」の合計)
実際に具体的に話したことがある10.0%

(当メディア調査・2026年5月/回答300名)

多くの人が話し合いの必要性を感じている一方で、具体的な話までは進められていない実態がうかがえます。相続について話し合うのは、親子ともに切り出しにくいテーマです。

しかし、何も話さないまま相続が発生すると、相続人同士で希望が食い違い、手続きが進みにくくなるリスクがあります。相続税の節税を考えるときは、税金だけでなく、家族が納得しやすい財産の分け方も一緒に整理しておきましょう

生前にできる相続税の節税対策

生前にできる相続税の節税対策(生前贈与・生命保険・不動産など)を示す見出し画像

相続税の節税対策は、親世代が元気なうちに始めるほど選択肢が広がります。

相続が発生した後でも使える制度はありますが、生前でなければできない対策も少なくありません。特に、生前贈与、生命保険、不動産の活用は、相続税対策として検討されやすい方法です。

生前贈与を活用する(暦年贈与・相続時精算課税・各種特例)

生前贈与とは、生きているうちに財産を子どもや孫などへ渡すことです。早い段階から少しずつ財産を移すことで、将来の相続財産を減らせる可能性があります

生前贈与には、主に次のような方法があります。

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方法概要
暦年贈与1年間にもらった財産から基礎控除110万円を差し引いて贈与税を計算する方法
相続時精算課税60歳以上の父母・祖父母などから、18歳以上の子・孫などへ贈与する場合に選択できる制度
住宅取得等資金の贈与子や孫の住宅取得資金を援助する場合に使える非課税制度
結婚・子育て資金の一括贈与父母や祖父母などから結婚・子育て資金として一括贈与を受けた場合に、一定額まで贈与税が非課税になる制度

ただし、生前贈与は、贈与の時期や金額、相手によって税務上の扱いが変わります。

特に、令和6年(2024年)1月1日以後の贈与については、暦年贈与の相続税への加算期間や、相続時精算課税の基礎控除などに注意が必要です。

また、相続時精算課税は一度選択すると、同じ贈与者からの贈与について暦年課税へ戻れません。制度ごとの期限や要件を確認し、自己判断だけで進めないようにしましょう。

参考:No.4103 相続時精算課税の選択|国税庁

生命保険の非課税枠を活用する(500万円×法定相続人の数)

生命保険は、相続税対策と納税資金の準備の両方に役立つケースが多いです。死亡保険金には一定の非課税枠があり、2026年7月時点では、受取人が相続人である場合、次の金額まで非課税枠を使えます。

死亡保険金の非課税枠(2026年7月時点)

死亡保険金の非課税枠 = 500万円 × 法定相続人の数

例えば、法定相続人が3人であれば、非課税枠は1,500万円です。

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法定相続人の数死亡保険金の非課税枠
1人500万円
2人1,000万円
3人1,500万円
4人2,000万円
5人2,500万円

なお、生命保険のメリットは、税負担を軽くするだけではありません。

死亡保険金は、受取人を指定できるため、特定の家族にまとまった資金を残しやすい点が特徴です。相続税の納税資金や、当面の生活費の準備にもつながります。

ただし、契約者、被保険者、受取人の組み合わせによっては、相続税ではなく所得税や贈与税の対象になる場合があります。生命保険を相続税対策に使う場合は、非課税枠だけでなく、契約形態まで確認することが大切です。

詳しくは、別記事「相続税対策 生命保険」で解説しています。

合わせて読みたい

参考:No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金|国税庁

不動産を活用して相続税評価額を下げる

不動産の活用も、相続税の節税対策として検討されることがあります。

相続税を計算するとき、不動産は現金と同じ金額で評価されるわけではありません。土地や建物は、相続税評価額という税務上の評価額をもとに計算します。

一般的に、不動産は現金よりも相続税評価額が低くなるケースが多いです。現金を不動産に組み替えて相続税の負担を軽減するのも、有効な対策です。

不動産を活用する方法には、次のようなものがあります。

不動産を活用する方法
  • 賃貸用不動産を取得する
  • 土地に賃貸住宅を建てる
  • 区分マンションを活用する
  • 将来売却しやすい不動産を整理する
  • すでに持っている不動産の活用方法を見直す

ただし、不動産は節税効果だけで選ぶものではありません。賃貸用不動産には、空室リスク、修繕費、管理費、価格変動リスクがあります。また、相続人が不動産を管理できるか、将来売却しやすいかも大切な判断材料です。

不動産を使った相続税対策は、資産状況や家族構成によって向き不向きがあるため注意しましょう。

詳しくは、別記事「相続税対策 不動産」で解説しています。

合わせて読みたい

養子縁組で法定相続人を増やす

養子縁組によって法定相続人が増えると、原則として相続税の基礎控除額や生命保険金の非課税枠が増えます。先述のとおり、法定相続人とは、民法で定められた相続する権利がある人のことです。

そのため、法定相続人が増えると、相続税の計算上は有利になる場合があります

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法定相続人が増えると影響するもの内容
基礎控除600万円×法定相続人の数が増える
生命保険金の非課税枠500万円×法定相続人の数が増える
死亡退職金の非課税枠500万円×法定相続人の数が増える

ただし、相続税の計算で法定相続人の数に含められる養子の人数には制限があります。

被相続人に実子がいる場合は養子1人まで、実子がいない場合は養子2人までです。

また、相続税の負担を不当に減らす目的と判断される場合は、養子を法定相続人の数に含められないことがあります。そのため、養子縁組は、税金だけで判断すべきものではありません。家族関係や相続人同士の感情にも影響するため、慎重に検討しましょう。

参考:No.4170 相続人の中に養子がいるとき|国税庁

墓地・仏具など非課税財産を生前に用意する

相続税がかからない財産を、生前に準備しておく方法もあります。

該当する可能性があるものは次のとおりです。

非課税になる可能性がある財産
  • 墓地
  • 墓石
  • 仏壇
  • 仏具
  • 神棚など日常礼拝に使うもの

これらを生前に購入しておけば、現金を非課税財産に変えられます。

ただし、何でも非課税になるわけではありません。骨董的価値があるものや、投資目的で所有しているもの、商品として保有しているものは、相続税の対象になる場合があります。

墓地や仏具を用意する場合は、家族の希望や実際に必要かどうかを踏まえて検討しましょう。

参考:No.4108 相続税がかからない財産|国税庁

専門家の補足

生前対策でよくある失敗は、「節税になりそう」という理由だけで急いで進めてしまうことです。

例えば、不動産を購入しても、相続人が管理に困るケースが想定されます。生前贈与をしても、相続開始前の一定期間内の贈与として相続税に加算されることもあります。

生前にできる対策は多い一方で、家庭ごとに合う方法は異なります。まずは財産の内容、相続人の人数、納税資金の有無を整理し、専門家に相談しながら進めてみましょう。

相続が発生した後にできる相続税の節税対策

相続が発生した後にできる相続税の節税対策(小規模宅地等の特例・配偶者の税額軽減など)を示す見出し画像

相続税の節税対策は、生前に準備するものだけではありません。すでに相続が発生した後でも、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減、各種控除などを活用することは可能です。

小規模宅地等の特例で土地の評価額を下げる

小規模宅地等の特例とは、亡くなった方の自宅や事業用の土地などについて、一定の面積まで相続税評価額を減額できる制度です。相続税評価額とは、相続税を計算するときに使う財産の評価額を指します。

例えば、被相続人が住んでいた自宅の土地について、一定の要件を満たす場合、330㎡まで80%の減額を受けられることがあります。

主な区分と減額割合は、以下のとおりです。

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土地の区分限度面積減額割合
特定居住用宅地等330㎡80%
特定事業用宅地等400㎡80%
貸付事業用宅地等200㎡50%

特定居住用宅地等とは、被相続人が住んでいた自宅の敷地などを指します。特定事業用宅地等とは、相続が発生した際、主に事業用として使っていた土地のことです。

この特例は、土地の評価額を大きく下げられる可能性があるため、相続税への影響が大きい制度です。

ただし、誰が土地を取得するか、相続後も住み続けるか、申告期限まで保有するかなど、細かな要件があります。自宅や事業用の土地がある場合は、適用できるかどうかを早めに確認しましょう。

参考:No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁

配偶者の税額軽減を活用する

配偶者の税額軽減とは、亡くなった方の配偶者が財産を取得した場合に、相続税の負担を大きく軽くできる制度です。

2026年7月時点では、配偶者が取得した正味の遺産額が、次のいずれか多い金額までであれば、配偶者には相続税がかかりません。

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基準内容
1億6,000万円配偶者が取得した正味の遺産額が1億6,000万円まで
配偶者の法定相続分相当額法律上の取り分に相当する金額まで

例えば、配偶者が1億6,000万円以下の財産を取得する場合は、この制度により相続税がかからない可能性があります。ただし、配偶者の税額軽減を使うには、相続税の申告が必要です

配偶者の負担を軽くできる制度ですが、配偶者に財産を集中させると、次に配偶者が亡くなったときの相続で税負担が重くなるおそれがあります。そのため、目先の相続税だけでなく、次の相続まで見据えて考えることがポイントです。

参考:No.4158 配偶者の税額の軽減|国税庁

各種控除を活用する(未成年者控除・障害者控除・相次相続控除など)

相続税には、特定の相続人に使える控除もあります。控除とは、計算された税額から一定の金額を差し引ける制度です。代表的な控除を以下の表にまとめました。

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控除概要注意点
未成年者控除相続人が18歳未満の場合に使える控除法定相続人であることなどの要件がある
障害者控除相続人が85歳未満の障害者の場合に使える控除障害者であり、法定相続人であることなどが必要
相次相続控除10年以内に相続が続いた場合に使える控除前回の相続で相続税が課されていることなどが必要

なお、これらの控除は、対象者や計算方法に要件があります。該当する家族がいる場合は、相続税申告の際に見落とさないようにしましょう

参考:No.4164 未成年者の税額控除|国税庁

参考:No.4167 障害者の税額控除|国税庁

参考:No.4168 相次相続控除|国税庁

債務控除(借入金・葬式費用など)を活用する

通常、相続税を計算するときは、亡くなった方が残した借入金や未払い金などを、遺産総額から差し引けます。これを債務控除といいます。

特に、以下のような支払いは債務控除の対象になりやすいです。

債務控除の対象になりやすい支払い
  • 借入金
  • 葬式費用
  • 未払いの税金
  • 未払いの医療費
  • 未払いの公共料金

葬式費用は債務そのものではありませんが、相続税を計算するときには、遺産総額から差し引ける場合があります。一方で、すべての支出を控除できるわけではありません。

例えば、香典返しの費用や、初七日・四十九日などの法要費用は、基本的には葬式費用として控除できません。また、墓地や仏具など非課税財産に関する未払い代金は、債務として差し引けないことがあります。債務控除を受けるには、支払先や金額が分かる資料を残しておくことが大切です

参考:No.4126 相続財産から控除できる債務|国税庁

相続税の節税で気をつけたい注意点

相続税の節税で気をつけたい注意点を示す見出し画像

相続税の節税対策は、正しく活用すれば税負担を軽くできる可能性があります。

一方で、制度の使い方を誤ると、期待した効果が得られなかったり、家族間のトラブルにつながったりすることもあります。

特に初心者の方は、「節税できそう」という理由だけで進めるのではなく、注意点もあわせて確認しておきましょう。

形だけ・やりすぎの対策は税務署に否認されることがある

相続税の節税対策は、形だけ整えればよいものではありません。

例えば、実態のない贈与や、節税だけを目的にした不自然な取引は、税務署から認められないリスクがあります。これを「否認される」といいます。

具体的には、次のような例に注意しましょう。

否認されやすい例
  • 契約書や資金の流れが残っていない
  • 相続直前に、節税目的だけで大きな財産移動をしている
  • 不動産を購入したものの、家族に管理や活用の意向がない
  • 贈与したつもりでも、実際には親が通帳や印鑑を管理している

節税対策は、実態や目的が伴っていることが重要です。

節税を優先しすぎて納税資金や争族で失敗しないようにする

相続税対策では、税額を減らすことだけに意識が向きすぎないよう注意が必要です。

相続税を軽くできても、納税に使える現金が不足すれば、相続人が困りかねません。また、特定の相続人だけに財産を移すと、ほかの相続人が不満を持つこともあります。

節税を優先しすぎた場合に起こりやすい問題は、以下のとおりです。

節税を優先しすぎたときに起こりやすい問題
  • 財産の分け方に不公平感が出る
  • 生命保険の受取人をめぐって家族が不満を持つ
  • 不動産ばかり残り、相続税を払う現金が足りない
  • 贈与を受けた人と受けていない人の間で差が生じる

税金を減らすだけでなく、相続人が納得しやすい分け方、納税資金も一緒に確認しておきましょう。

制度や特例には期限・適用要件がある

相続税の節税に使える制度や特例には、期限や適用要件があります。適用要件とは、その制度を使うために満たすべき条件のことです。条件を満たしていなければ、原則として制度を使うことはできません。

特に注意したい制度には、次のようなものがあります。

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制度・特例注意したいポイント
小規模宅地等の特例土地の種類、取得者、居住、保有状況などの要件がある
配偶者の税額軽減原則として相続税申告が必要
生前贈与相続開始前の一定期間内の贈与は相続税に加算される場合がある
相続時精算課税一度選択すると、同じ贈与者からの贈与は暦年課税に戻れない
債務控除控除できるもの・できないものがある

2026年7月時点では、相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。期限が近づいてから準備を始めると、戸籍の収集や財産評価、遺産分割協議に十分な時間を取れないことがあります。

制度や特例を使いたい場合は、早めに必要書類や申告期限を確認しておきましょう。

合わせて読みたい

自己判断せず専門家に相談しながら進める

相続税の節税対策は、家庭ごとに向いている方法が異なります。同じ節税方法でも、家族構成、財産の種類、相続人の関係性、納税資金の有無によって、結果が変わるケースはめずらしくありません。

自己判断で進めると、次のような失敗につながることがあります。

自己判断で進めたときの失敗例
  • 家族間で財産の分け方に不満が出た
  • 贈与税や相続税が想定より高くなった
  • 使えると思っていた特例が使えなかった
  • 申告期限までに必要書類がそろわなかった
  • 不動産を取得したものの、管理や売却に困った

相続税の節税対策は、税金だけでなく、不動産、生命保険、家族関係、納税資金まで関係します。分からない点がある場合は、税理士などの専門家に相談しながら進めましょう。

相続税の節税で迷ったらPR mediaへ無料相談

相続税の節税で迷ったらPR mediaへ無料相談を案内する見出し画像

相続税の節税対策は、生前贈与、生命保険、不動産、小規模宅地等の特例など、さまざまな方法があります。

しかし、どの方法が合うかは、家族構成や財産の内容によって異なります。節税だけを優先すると納税資金が足りなくなったり、家族間で財産の分け方に不満が出たりする場合もあり、注意が必要です。

こんな悩みはありませんか
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相談できる内容相続税対策、納税資金の準備、不動産の活用、家族構成に応じた対策の整理など
強み不動産・保険・リースバックなど複数の選択肢を横断して相談できる
向いている人相続税の節税方法が分からない方、不動産が多い方、納税資金に不安がある方
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PR mediaでは、相続税の節税だけでなく、納税資金の確保や不動産の扱いまで含めて相談できます。

例えば、不動産を活用した相続税対策を検討する場合でも、区分マンションの活用、売却、リースバックなど、複数の選択肢があります。

リースバックとは、自宅などの不動産を売却したあとも、賃貸として住み続けられる仕組みのことです。まとまった資金を確保しながら住まいを維持したい場合に、選択肢の一つになります。

また、生命保険を活用すれば、死亡保険金の非課税枠を使えます。相続税の納税資金や、特定の家族に資金を残す方法としても検討可能です。

ただし、不動産投資や生命保険、リースバックには、それぞれメリットと注意点があります。どれか一つの方法を選べばよいわけではなく、家族構成や資産状況に合わせて組み合わせを考えることが大切です。

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相続税の節税に関するよくある質問

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ここでは、相続税の節税に関するよくある質問にお答えします。

相続税はいくらからかかりますか?

相続税は、正味の遺産額が基礎控除を超える場合にかかります。正味の遺産額とは、預貯金や不動産などのプラスの財産から、借入金や葬式費用などを差し引いた金額です。2026年7月時点では、相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。例えば、法定相続人が3人なら基礎控除は4,800万円です。正味の遺産額がこれを超える場合は、相続税がかかる可能性があります。

相続税の節税はいつから始めるべきですか?

相続税の節税は、できるだけ早めに始めるのが望ましいです。生前贈与、生命保険、不動産の活用などは、親世代が元気なうちでないと進めにくい対策です。早く準備するほど、家族で話し合う時間や、複数の選択肢を比較する余裕を持ちやすくなります。ただし、相続が発生した後でも、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減などを使える場合があります。まずは財産の全体像を整理し、相続税がかかる可能性を確認しておきましょう。

生前贈与と生命保険はどちらが節税になりますか?

生前贈与と生命保険のどちらが節税になるかは、家族構成や財産の状況によって異なります。生前贈与は、早めに財産を移すことで将来の相続財産を減らせる可能性があります。一方で、相続開始前の一定期間内の贈与は、相続税の計算に加算される場合もあり、注意しなければなりません。生命保険は、死亡保険金の非課税枠を使える点がメリットです。納税資金を準備しやすい点も特徴といえます。どちらか一方で考えるのではなく、目的に応じて組み合わせを検討しましょう

まとめ:相続税の節税は早めの準備と専門家への相談がカギ

相続税の節税は早めの準備と専門家への相談がカギだとまとめた見出し画像

相続税対策は、「税金を減らすこと」だけを考えればよいわけではありません。相続税を支払うための納税資金を準備することや、家族間のもめごとを防ぐことも大切です。

また、節税方法には、家族構成や財産の内容によって向き不向きがあります。自己判断だけで進めると、思ったような効果が得られなかったり、納税資金や財産の分け方で悩んだりすることもあります。

もし、相続税の節税や納税資金の準備に不安があるという方は、PR mediaへの無料相談を活用してはいかがでしょうか。無料相談では、不動産・保険などの選択肢を比較しながら、ご家庭に合った進め方を整理できます。

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PR media株式会社を中心に、不動産投資・生命保険・賃貸管理・売買仲介に関わるグループ各社の知見も参考にしながら、「何から始めればよいかわからない」「誰に相談すべきかわからない」といった相続前後の悩みに寄り添う情報提供を行っています。

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