デジタル遺品を整理しようとしても、「何から確認すればよいのか分からない」と戸惑ってしまう方は少なくありません。スマホやパソコンだけでなく、ネット銀行やSNSなどにも情報が残っているため、全体像を把握しにくい場合もあります。
- 故人のスマホを確認しても問題ないのか
- デジタル遺品を放置すると何が起こるのか
- ネット銀行やSNSはどのように整理すればよいのか
しかし、このような疑問があっても急いで端末を操作したり、アカウントへログインしたりする必要はありません。デジタル遺品には財産に関わる情報も含まれるため、正しい順序で整理することが大切です。
また、契約中のサービスを放置すると料金の支払いが続いたり、ネット上の資産に気づけなかったりするおそれがあります。一方で、確認方法によっては法律上の問題が生じる可能性もあるため、避けるべき行為も知っておきましょう。
本記事では、デジタル遺品に含まれるものや放置するリスク、整理する前の注意点と実際の流れを解説します。あわせて、業者へ依頼する際の判断材料や、元気なうちにできる生前整理についても整理します。
本記事を読むことで、デジタル遺品を整理する正しい順序を把握し、自分や家族が何から始めればよいか判断しやすくなるでしょう。
\ 相続のアンケートに回答するだけ /
かんたん・スマホだけでOK!!
当メディア『タクソウ(託す相続)』は、PR media株式会社(東京都渋谷区/2018年設立)が運営しています。代表取締役の藤森 何意は、相続の総合的な知識を持つ「相続診断士」の資格を保有。PR mediaは保険代理事業を展開するとともに、不動産の売買・賃貸管理を手がける企業グループに属し、相続対策と関わりの深い不動産・保険分野の実務知見を有しています。
当サイトの記事は、国税庁:相続税・贈与税に関する情報、国税庁:統計情報(相続税の申告事績等)、裁判所:司法統計、法務省 等の公的データと、グループでの不動産・保険業務における実務経験に基づいて作成しています。個別の税務・法律のご判断については、税理士・司法書士等の専門家へのご相談をおすすめしています。
デジタル遺品にはどんなものがあるか

デジタル遺品には、法律上の明確な定義はありません。一般的には、スマホやパソコンなどで確認できるデータや、インターネット上の資産・契約などを指します。
例えば、家族の写真だけでなく、ネット銀行の預金やSNSのアカウントも対象です。大きく分けると、次の2種類があります。
| 種類 | 主なデジタル遺品 |
|---|---|
| 端末に保存されたもの | 写真・動画・書類・連絡先など |
| ネット上にあるもの | 金融資産・SNS・メール・契約中のサービスなど |
身近なスマホの中にも、家族が把握していない情報が残っている可能性があります。まずは、どのようなデジタル遺品があるのかを確認していきましょう。
スマホやパソコンに保存された写真・動画・書類
故人のスマホやパソコンには、本人が保存したさまざまなデータが残っています。思い出に関するものだけでなく、財産や契約を確認する手がかりが含まれている場合もあります。
主なデータとして挙げられるのは、次のとおりです。
- 写真
- 動画
- 連絡先
- 音声データ
- 契約書や家計に関する書類
例えば、旅行や家族の写真には、大切な思い出が残っています。仕事関係の書類や契約書などが保存されている場合もあります。
一方、家族が端末を開けなければ、保存されているデータを確認できません。具体的にどのように対応すべきかは、後ほど「デジタル遺品を整理する前に知っておきたいこと」で詳しく解説します。
ネット銀行やネット証券などの金融資産
ネット上で管理されている金融資産も、確認しておきたいデジタル遺品です。ネット銀行やネット証券では、店舗へ行かずに口座開設や取引ができるサービスも増えています。
デジタル遺品として見つかる可能性がある金融資産には、次のようなものがあります。
| 種類 | 主な内容 |
|---|---|
| ネット銀行 | 預金など |
| ネット証券 | 株式・投資信託など |
| 暗号資産 | 取引所などで保有している暗号資産(いわゆる仮想通貨のこと) |
| 電子マネーなど | サービス内に残っている残高など |
ネット上で管理されていても、財産としての性質がなくなるわけではありません。例えば、ネット銀行の預金やネット証券で保有する株式などは、相続財産として確認が必要です。
また、ネット専用のサービスでは、紙の通帳や取引書類が手元に残っていない場合があります。本人以外が利用状況を知らなければ、家族が金融資産の存在そのものに気づきにくい点にも注意が必要です。
参考:独立行政法人国民生活センター「今から考えておきたい「デジタル終活」」
SNSやメールなどのアカウント
SNSやメールなど、インターネット上のアカウントもデジタル遺品に含まれます。サービス内には、本人が投稿した内容やほかの利用者とのやり取りが残っているケースもあるでしょう。
主なアカウントの例を整理しました。
- SNS
- メール
- ブログ
- ネット通販
- オンラインストレージ
- 写真・動画共有サービス
SNSには写真や文章が残っているほか、メールには契約中のサービスから通知が届いている場合があります。そのため、メールやSNSは利用していたサービスを知る手がかりになります。
サブスクリプションなど契約中のサービス
サブスクリプションとは、定期的に料金を支払い、一定期間サービスを利用する仕組みです。スマホだけで契約できるサービスも多いため、家族が利用状況を把握できていないケースも多いでしょう。
契約が残っている可能性があるサービスには、次のようなものがあります。
- 有料アプリ
- 動画配信サービス
- 音楽配信サービス
- オンラインストレージ
- セキュリティソフトなどの有料サービス
サブスクリプション以外にも、ネット通販やゲームなどの有料サービスを利用している場合があります。アカウントや契約情報がスマホの中だけで管理されているサービスもあります。
デジタル遺品は、目に見えるスマホやパソコンだけを確認すればよいわけではありません。ネット上に残っている資産や契約も含めて調査する必要があります。
デジタル遺品を放置すると起こるトラブル

デジタル遺品は、紙の通帳や現物のように目で確認できるものばかりではありません。契約や資産がネット上だけで管理されていると、家族が状況を把握するまでに時間がかかることもあるでしょう。
ここでは、放置した場合に考えられる主なトラブルを解説します。
契約中のサブスクリプションの料金が引き落とされ続ける
サブスクリプションは、契約者が亡くなっただけでは自動的に解約されません。家族が契約に気づかなければ、利用していないサービスの料金が請求され続けるおそれがあります。
特に確認が遅れやすいのは、次のような契約です。
- 有料アプリ
- 動画・音楽配信
- セキュリティソフト
- オンラインストレージ
- オンライン学習などの有料サービス
本人しか契約内容を把握していない場合は、家族が請求元を特定するまで時間がかかるおそれがあります。クレジットカードや銀行口座の利用明細から、継続的な支払いがないか確認してみましょう。
ネット銀行や証券口座の資産に気づけない
ネット銀行の預金や証券口座にある金融商品は、相続財産として把握しておく必要があります。しかし、通帳などが残っていなければ、家族が口座の存在に気づけないケースもあるでしょう。
後から財産が見つかった場合に考えられる影響は、主に以下の内容です。
| 影響 | 主な内容 |
|---|---|
| 財産調査 | 相続財産の全体像を改めて確認する必要が生じる |
| 遺産分割 | 新たに見つかった財産の分け方を話し合う場合がある |
| 相続税 | 申告済みの場合、申告内容の見直しが必要になる可能性がある |
すでに遺産分割を終えていても、新たな相続財産が見つかれば、追加の話し合いが必要になる場合があります。
また、相続税の申告後に財産が判明した場合は、税務上の対応が必要になる可能性もあります。個別の申告や税額について判断が必要なときは、税理士への相談も視野に入れましょう。
相続人全員で分け方を決める遺産分割協議の進め方は下記の記事にて詳しく解説しています。

SNSアカウントが乗っ取られるおそれがある
SNSのアカウントをそのままにしていると、第三者から不正アクセスを受けるおそれがあります。特にIDやパスワードなどの情報が漏れている場合は、本人になりすまして利用される危険があります。
不正利用された場合には、次のようなトラブルが考えられます。
- 投稿される
- メッセージを送られる
- 登録情報を変更される
- 家族や知人になりすまして連絡される
警察庁も、IDやパスワードが窃取されると、不正アクセスによってインターネットサービスを悪用されるおそれがあると注意喚起しています。
一方で、家族が本人のIDやパスワードを使ってログインしてよいとは限りません。自己判断でログインせず、各サービスの正規の手続きを確認することが大切です。
FXや仮想通貨で思わぬ負債が見つかることがある
ネット上の金融取引では、資産だけでなく支払いが必要な金額が残っている場合もあります。特にFX(外国為替証拠金取引)では、預けたお金以上の金額を取引できる仕組みがあるため、相場が大きく動くと損失が膨らむリスクがあります。
主な取引と確認したい点を整理しました。
| 取引 | 確認したい点 |
|---|---|
| FX | 取引が途中のまま残っていないか、損失が発生していないか |
| 暗号資産 | 保有している資産や、途中の取引が残っていないか |
| 信用取引 | 借りた資金などを使った取引が残っていないか |
FXでは、取引のためにあらかじめ預けるお金を「証拠金」といいます。また、証拠金より大きな金額を取引できる仕組みが「レバレッジ」です。レバレッジを利用すると大きな利益を得られる可能性がある一方、損失も大きくなるのが特徴です。
一般に「仮想通貨」と呼ばれるものは、法律上「暗号資産」と呼ばれています。暗号資産を保有しているだけで、直ちに負債が生じるわけではありません。ただし、借りた資金を使った取引などをしている場合は、支払いが残る可能性があります。
金融庁によると、FXでは相場の急激な変動によって、預けた証拠金を上回る損失が生じる場合があります。取引内容が分からないときは自分で売買せず、利用していた金融機関などへ確認しましょう。
参考:金融庁「外国為替証拠金取引について」
見られたくないデータが家族の目に触れる
デジタル遺品には、財産や契約に関する情報だけでなく、本人が家族に見せる予定のなかったデータが残っている場合もあります。
例えば、次のようなデータです。
- 写真
- メール
- 検索履歴
- 個人的なメモ
- SNSなどのメッセージ
- 仕事や交友関係に関する記録
デジタル機器には、生活に関するさまざまな情報が集まっています。そのため、必要な情報を探す作業と、本人のプライバシーへの配慮を両立させることも課題です。
残したくないデータがある場合は、元気なうちに自分で整理しておく方法があります。生前にできる具体的な備えについては、後ほど「元気なうちにできるデジタル遺品の生前整理」で解説します。
デジタル遺品を整理する前に知っておきたいこと

デジタル遺品は、紙の書類や家具とは扱い方が異なるため注意が必要です。端末の中身を確認する行為と、ネット上のアカウントへログインする行為も同じではありません。
整理を始める前に、やってよいことと避けたい行動を把握しておきましょう。
故人の端末を確認すること自体が違法になるわけではない
故人が残したスマホやパソコンを、遺品として確認する行為が直ちに不正アクセスになるわけではありません。ただし、端末そのものを見る行為と、ネット上のサービスを利用する行為は分けて考えなければなりません。
具体的な違いを整理すると、次のようになります。
| 行為 | 考え方 |
|---|---|
| 端末を保管する | 遺品として保管する |
| 端末内のデータを確認する | 保存された写真や書類などを確認する |
| ネット上のアカウントを利用する | 不正アクセス禁止法などに注意が必要 |
| 金融資産を出金・処分する | 相続財産に関わるため慎重な判断が必要 |
不正アクセス禁止法は、他人のIDやパスワードなどを使い、ネットワークを通じてサービスへ不正にアクセスする行為などを規制する法律です。
そのため、スマホが手元にあるから、中に登録されているサービスも自由に利用できるとは限りません。端末とネット上のアカウントを分けて考えてください。
参考:総務省「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」
他人のアカウントに無断でログインしない
故人が利用していたネット上のサービスへ、本人のIDやパスワードを使って無断でログインする行為には注意が必要です。不正アクセス禁止法に触れるおそれがあります。
「IDやパスワード」とは、利用者本人であるかを確認するための情報です。例えば、次のようなサービスで使われています。
- SNS
- メール
- ネット銀行
- ネット証券
- ネット通販
- オンラインストレージ
警察庁は、不正アクセスの一つとして、他人のIDやパスワードを無断で入力してネットワーク上のサービスを利用可能にする行為を挙げています。家族であっても、故人名義のアカウントを自由に利用できるとは限りません。
サービスごとに契約内容や利用できる手続きは異なります。アカウントを整理したい場合は、各サービスの公式ヘルプで最新情報を確認しましょう。
相続人全員で共有しながら進める
デジタル遺品から財産や契約が見つかった場合は、一人だけで判断せず、ほかの相続人とも内容を共有しながら整理したほうが後のトラブル防止につながります。
特に共有しておきたいのは、次のような内容です。
- 確認した端末
- 見つかった財産
- 契約中だったサービス
- 保存・コピーしたデータ
- 解約などを申し込んだ内容
- 金融機関などへ問い合わせた記録
例えば、ネット銀行の口座が見つかったときに一人だけで手続きを進めると、ほかの相続人が経緯を把握できません。後から認識が食い違った結果、トラブルに発展する危険があります。
特にお金に関わる情報が見つかった場合は、発見した内容と対応状況を共有しておくことが大切です。記録を残しておけば、後の遺産分割でも状況を確認しやすくなるでしょう。
パスワードがわからないときは自力で解除しようとしない
スマホやパソコンのパスワードが分からない場合は、思いつく番号や文字を何度も試す方法は避けてください。端末によっては、入力を繰り返すと一定時間操作できなくなる場合があります。設定次第ではデータが消去される端末もあり、注意が必要です。
自力で試す前に、次の点を確認することが大切です。
- 端末の種類
- バックアップの有無
- メーカーの公式サポート
- 保存したいデータの有無
- 正規の問い合わせ方法があるか
例えばiPhoneでは、「データを消去」の設定が有効になっていると、パスコードを10回連続で間違えた場合にデータが消去される機能があります。
具体的な解除方法を自己判断で試すのではなく、メーカーなどの公式窓口で対応方法を確認しましょう。
参考:Apple「iPhoneユーザガイド」
故人のデジタル遺品を整理する流れ

デジタル遺品は、端末を探してすぐにデータを削除するのではなく、財産や契約の有無を確認しながら順番に整理します。必要な情報を失わないためにも、流れを把握してから手続きを進めましょう。
STEP1 スマホやパソコンなどの端末を探す
まずは、故人が使っていたスマホやパソコンなどを探します。普段使っていたもの以外に、古い端末が残っている場合もあります。
自宅では、次のような機器がないか確認してみましょう。
- スマホ
- パソコン
- タブレット
- 外付けハードディスク
- USBメモリなどの記録媒体
引き出しや書斎だけでなく、収納や以前使っていた仕事用スペースなども確認します。機種変更前のスマホに、写真や契約に関する情報が残っているケースも考えられます。
もし見つけた端末があれば、すぐに処分せず、どこで見つけたものか分かるようにまとめて保管しましょう。
STEP2 契約中のサービスやアカウントを洗い出す
端末を確認したら、故人が利用していたサービスやアカウントを整理します。本人しか把握していない契約もあるため、一つずつ手がかりを集めていきましょう。
洗い出す際の、主な確認先を整理しました。
| 確認するもの | 分かる可能性がある情報 |
|---|---|
| メール | サービスの登録通知や利用明細 |
| クレジットカード明細 | 定期的に支払っているサービス |
| 銀行口座の明細 | 継続的な引き落とし |
| スマホのアプリ | 利用していたサービス |
| 郵便物 | 金融機関やサービス会社からの通知 |
例えば、毎月同じ会社名でクレジットカード決済があれば、サブスクリプションを契約している可能性があります。メールの件名や差出人も、利用サービスを把握する手がかりになります。
この段階では、見つけたサービスをすぐに解約するのではなく、サービス名や契約内容を一覧にして全体像を把握することが重要です。
STEP3 ネット銀行や証券口座など財産にあたるものを確認する
利用していたサービスの中にネット銀行や証券口座などがあれば、相続財産として整理します。見つけた金融資産は、ほかの相続人への共有も忘れないでください。
以下では、確認したい主な情報を整理しました。
- 金融機関名
- 口座の種類
- 預金などの残高
- 保有している金融商品
- 問い合わせ先や手続き方法
金融資産を見つけても、自己判断で解約や出金、売却を進めないようにしてください。まずは利用していた金融機関へ相続が発生した旨を伝え、案内に沿って手続きを進めましょう。
銀行が口座名義人の死亡を把握すると、原則として口座からの入出金などが停止されます。一般に「口座凍結」と呼ばれる状態です。
口座が凍結されると、次のような取引に影響する場合があります。
- 預金の引き出し
- 口座からの振り込み
- 家賃などの振り込み
- 公共料金などの引き落とし
そのため、銀行への連絡とあわせて、その口座を使っていた支払いや入金も確認しておきましょう。必要であれば、引き落とし口座や振込先の変更を進めます。
なお、口座が凍結されても預金がなくなるわけではありません。金融機関が案内する相続手続きを行うことで、払い戻しなどの手続きを進められます。
口座凍結の仕組みと預金の相続手続きは下記の記事にて詳しく解説しています。

STEP4 サブスクリプションを解約する
財産に関係するサービスを整理した後は、利用する人がいなくなったサブスクリプションについて解約手続きを進めます。主に確認したいのは、次のようなサービスです。
- 有料アプリ
- 動画・音楽配信
- オンライン学習
- オンラインストレージ
- ソフトウェアなどの月額契約
解約方法はサービスによって異なります。契約者本人が手続きできない場合に、家族向けの問い合わせ方法が用意されているサービスもあるため、まずは問い合わせをしてみましょう。
また勘違いされがちですが、クレジットカードを止めるだけでは、契約そのものが終了したことにはなりません。サービスごとに正式な解約手続きが必要か確認してください。
STEP5 SNSアカウントを削除または追悼アカウントに切り替える
SNSやオンラインアカウントについては、アカウントそのものを残す方法と削除する方法が用意されている場合もあります。2026年9月時点の主な対応例を整理しました。
| サービス | 故人のアカウントに関する主な仕組み |
|---|---|
| アカウントの閉鎖やデータ取得などに関する申請 | |
| Apple | 故人のApple Accountへのアクセスや削除に関する申請 |
| 追悼アカウントへの移行やアカウント削除に関する手続き |
※2026年9月時点。各サービスの仕様や必要書類は変わる可能性があります。
参考:Google「故人のアカウントに関するリクエストを送信する」
参考:Apple「亡くなったご家族のApple Accountへのアクセスを申請する」
参考:Facebook「追悼アカウントについて」
例えば、Facebookでは、アカウントを削除せずに残す「追悼アカウント」のサービスがあります。ただし、すべてのSNSやサービスに追悼アカウントの制度があるわけではありません。
サービスの仕様や必要書類は変わる可能性があります。手続きを始める際は、各サービスの公式ヘルプで最新の情報を確認しましょう。
STEP6 必要なデータを残して端末を初期化する
財産や契約の確認が終わったら、端末に残す必要があるデータを整理します。初期化するのは、必要な情報を保存し、今後その端末を売却・譲渡・処分すると決めた後です。
初期化する前に、次の項目を確認しましょう。
- 写真を保存したか
- 必要な書類を保存したか
- 財産の確認が終わったか
- 契約内容の確認が終わったか
- 家族に残したいデータがないか
- 相続人間で必要な情報を共有したか
初期化すると、端末内に保存されたデータを確認できなくなる可能性があります。そのため、財産や契約に関する調査が終わる前に初期化するのは避けましょう。
一方で、スマホやパソコンを売却・譲渡する場合は、個人情報を残さないためにデータを消去します。具体的な初期化方法は機種によっても異なるため、メーカーの公式サポートで手順を確認してください。
デジタル遺品整理を業者に依頼するときに確認したいこと

デジタル遺品は、自分たちだけで整理できる場合もあれば、専門的な作業が必要になるケースもあります。端末が故障している場合や、必要なデータを取り出せない場合は、業者への依頼も検討しましょう。
ただし、対応できる作業や料金は業者によって異なります。依頼する前に、必要な作業と費用について把握しておきましょう。
業者に依頼できる作業の範囲
デジタル遺品整理を扱う業者では、端末の状態確認やデータの取り出しなどに対応している場合があります。ただし、すべての業者が同じサービスを提供しているわけではありません。
| 作業 | 主な内容 |
|---|---|
| 端末の調査 | パソコンやスマホの状態を確認する |
| データの取り出し | 写真や書類などを別の媒体へ保存する |
| データ復旧 | 故障などで読めなくなったデータの復旧を試みる |
| データ消去 | 売却・処分前に端末内の情報を消去する |
| アカウント調査 | 利用していたサービスなどを確認する |
| 端末の処分 | データ消去後のパソコンなどを処分する |
データ復旧とは、端末の故障や誤操作などで読み出せなくなったデータを、再び取り出せる状態に戻すための作業です。端末の故障状態によっては、高度な作業が必要になります。
なお、業者に依頼しても、すべてのデータを取り出せるとは限りません。依頼前に、対応できる端末や作業内容、データを取り出せなかった場合の料金について確認しましょう。
費用の目安
デジタル遺品整理には、公的に定められた一律の料金がありません。料金は、端末の種類や故障状態、取り出すデータの量などによっても変わってきます。
2026年9月時点の複数事業者の公開料金を見ると、主な作業には次のような金額が設定されています。
| 作業 | 費用の目安 |
|---|---|
| パソコンなどからのデータ取り出し | 2万~4万円程度 |
| スマホからのデータ取り出し | 1万5,000~3万円程度 |
| スマホのデータ復旧 | 5万~11万円程度 |
| パソコンなどのデータ復旧 | 5万~20万円程度 |
| パソコンの初期化 | 1万5,000~2万円程度 |
| パソコンなどの処分・データ破壊 | 7,000~1万5,000円程度 |
※2026年9月時点の複数事業者の公開料金をもとにした目安です。端末の状態や作業範囲によって実際の金額は変わります。
端末の状態や作業範囲によって、実際の費用は大きく変わる場合があります。重度の故障では個別見積もりとなり、10万円を超える料金例もあります。
また、表示された作業料金以外に、次のような費用がかかるケースもあります。
- 送料
- 診断料
- 部品代
- データ保存用の媒体代
- キャンセル時の手数料
最低料金だけで判断せず、追加料金が発生する条件も確認しておきましょう。
自分で対応できる範囲との違い
デジタル遺品の整理を、すべて業者に依頼する必要はありません。端末や契約の状況を把握できる場合は、家族で進められる作業もあります。
自分で対応しやすい作業と、業者を検討したいケースは次のとおりです。
| 自分で対応しやすい作業 | 業者を検討したいケース |
|---|---|
| 端末を探して中身を確認する | 端末が故障している |
| 契約中のサービスを一覧にする | 必要なデータを読み出せない |
| 金融機関などへ問い合わせる | 削除されたデータを復旧したい |
| 公式の手続きでサービスを解約する | 複数の端末から情報を探す必要がある |
| 必要な写真や書類を整理する | 専門的なデータ消去が必要である |
例えば、利用していたサブスクリプションが分かっている場合は、まずサービスの公式窓口で家族向けの手続きを確認します。一方、故障したパソコンからデータを取り出したい場合は、専門的な作業が必要になることもあるでしょう。
自分たちで確認できる範囲を整理し、依頼範囲を明確にすれば、不要な費用を避けやすくなります。
業者を選ぶときに確認したいポイント
デジタル遺品には、写真や金融情報など多くの個人情報が含まれています。料金だけでなく、データの取り扱いや作業後の対応も確認したうえで依頼先を判断しましょう。
契約前に確認したいポイントは、次のとおりです。
- 作業範囲が明確である
- 見積書の内訳が分かる
- 追加料金の条件が明確である
- キャンセル時の料金が分かる
- データの管理方法について説明がある
- 作業後のデータをどう扱うか説明がある
- データを取り出せなかった場合の料金が分かる
特に、端末を預ける場合は、個人情報を業者へ渡すことになります。どのデータを見る可能性があるのか、作業後に業者側へデータが残らないかを確認することが大切です。
中には「遺品整理士」など、デジタル遺品を含む、遺品整理に関する知識を学ぶ民間の認定資格を掲げている業者もあります。ただし、こうした資格は国家資格や行政上の許認可ではありません。
資格の有無だけではなく、見積内容やデータ管理の方法まで質問してから、依頼するかを判断しましょう。
元気なうちにできるデジタル遺品の生前整理

デジタル遺品は、元気なうちに少しずつ整理しておくこともできます。すべてを一度に片付ける必要はないため、使っていないサービスを減らすなど、負担の軽い作業から始めてみましょう。
当メディアの調査では、親にやっておいてほしい終活として「スマホ・ネット口座などデジタル情報の整理」を挙げた人は約6.7%でした。一方、「預貯金・口座(通帳)の整理・一覧化」は56.7%となっています。(当メディア調査・2026年6月/回答300名・複数回答)
デジタル情報は管理が難しい一方で、預貯金などと比べて後回しになりやすい項目と考えられます。親のデジタル遺品が気になる場合も、一度に整理を求めるのではなく、できる範囲から話してみてください。
使っていないアカウントやサービスを解約する
最初に取り組みやすいのは、現在使っていないサービスを減らすことです。例えば、次のようなサービスを見直してみましょう。
- 有料アプリ
- ネット通販
- 動画・音楽配信
- オンラインストレージ
- 使わなくなったSNS
- 利用していない会員サービス
「最近使っているか」を基準に一つずつ見直すのであれば始めやすいでしょう。契約数が少なくなれば、本人が管理しやすくなるだけでなく、家族が後から確認する範囲も狭められます。
契約中のサービスや口座を一覧にする
現在利用しているサービスは、家族が存在を把握できる形にまとめておくのも有効です。すべての取引内容を書く必要はなく、「どこを利用しているか」が分かるだけでも十分な手がかりになります。
一覧にしておきたい主な項目を整理しました。
| 項目 | 記載する内容の例 |
|---|---|
| 銀行 | 金融機関名 |
| 証券 | 証券会社名 |
| 保険 | 保険会社名 |
| SNS | 利用しているサービス名 |
| サブスクリプション | 契約中のサービス名 |
| 暗号資産 | 利用している交換業者など |
この段階では、口座残高や資産額まで細かく書かなくても構いません。家族が「どこに確認すればよいか」を把握できる情報を残すことが重要です。
一覧は定期的に見直し、解約したサービスを削除すると管理しやすくなるでしょう。
IDやパスワードの保管方法を決めておく
サービス名を一覧にしても、IDやパスワードの管理方法が分からなければ、家族が対応に迷う場合があります。そこで、自分に合った保管方法を決めておくことも生前整理の一つです。
主な方法には、次のようなものがあります。
- ノートに記録する
- パスワード管理ツールを利用する
- 保管場所だけを家族に伝えておく
- 紙に記録して施錠できる場所に保管する
ただし、IDやパスワードを誰でも見られる場所へそのまま置くと、第三者に利用されるおそれがあります。机の上やスマホのメモなど、簡単に確認できる場所への保管は慎重に判断しましょう。
見られたくないデータは早めに整理する
スマホやパソコンには、家族に残したい写真や書類だけが保存されているとは限りません。個人的なメモや過去のやり取りなど、自分だけで管理しておきたい情報がある方もいるでしょう。
特に見られたくないデータがある場合、以下のような対応を検討してください。
- SNSの扱いを決める
- 不要なデータを削除する
- 残したいデータを分ける
- 必要なデータを別の場所に保存する
すべてのデータを削除する必要はありません。残したいものと、自分だけで管理したいものを分けてみましょう。元気なうちであれば、自分の意思で残すデータを選べます。
スマホの機種変更やパソコンの買い替えなどをきっかけに、少しずつ整理してみてはいかがでしょうか。
エンディングノートに書き残しておく
エンディングノートを使って、デジタル遺品に関する希望を残しておく方法もあります。エンディングノートとは、財産や契約・医療・葬儀などについて、自分の希望や家族に伝えたい情報を書き残すためのものです。
デジタル関連では、次のような内容を書いておくと役立ちます。
- 利用している金融機関
- IDやパスワードの保管場所
- 契約している主なサービス
- SNSを残すか削除したいか
- 保存してほしい写真やデータ
- 家族に見てほしくないデータの扱い
ただし、エンディングノートを書いただけでは、家族が存在に気づけない可能性があります。ノートそのものを見せる必要はありませんが、保管場所は信頼できる家族などに伝えておきましょう。
エンディングノートに書く項目や入手方法は下記の記事にて詳しく解説しています。

エンディングノートは、家族に希望や情報を伝えるために役立ちます。ただし、財産を誰にどのように引き継がせるかについて、法的な効力を持たせたい場合は遺言書を検討すべきです。
遺言書には主に、本人が作成する自筆証書遺言と、公証人が関与して作成する公正証書遺言があります。自筆証書遺言は、民法で定められた方式を守らなければ無効になるおそれがあるため注意が必要です。
保管場所などが不安な方は、法務局で「自筆証書遺言書保管制度」を利用するのもよい方法です。自筆証書遺言書保管制度を利用すると、作成した遺言書の原本を法務局で保管してもらえます。紛失や改ざんを防ぐ方法の一つです。
参考:法務省「自筆証書遺言書保管制度について」
デジタル遺品を含む財産の整理で迷ったらPR mediaへ無料相談

デジタル遺品を整理していると、ネット銀行や証券口座だけでなく、実家や土地・生命保険なども含めて財産全体を見直すきっかけになることがあります。
例えば、「実家の価値が分からない」「残すか手放すか決めていない」といった場合もあるでしょう。すぐに売却などの結論を出す必要はありません。
まずは、どのような財産があり、今後どのような選択肢があるのか整理することが大切です。
PR mediaでは、相続をきっかけとした財産の整理について幅広い選択肢を一緒に検討できます。
| 相談分野 | 主な内容 |
|---|---|
| 不動産の評価 | 実家や土地の価値を確認する |
| 不動産の活用 | 賃貸など、所有を続けながら活用する方法を検討する |
| 売却 | 市場で売却する場合の選択肢を整理する |
| 空き家買取 | 買取によって手放す方法を検討する |
| リースバック | 売却後も住み続ける方法を検討する |
| 生命保険 | 相続を見据えた資産の残し方を整理する |
| 生前贈与 | 生前に財産を移す方法や注意点を確認する |
PR mediaの特徴は、一つの方法だけを前提にせず、不動産や生命保険などを含めて財産全体の選択肢を整理できる点です。
例えば、ネット銀行などの資産を一覧にする中で実家の扱いにも迷っている場合は、不動産の評価から始められます。所有を続けたい場合は活用方法を検討し、管理が難しい場合は売却や空き家買取なども選択肢になり得ます。
一方で、PR mediaがデジタル遺品整理の実作業や、スマホ・パソコンのパスワード解除を行うわけではありません。こうした作業は、必要に応じてデジタル遺品を扱う専門業者への相談を検討しましょう。
個別の相続税額の計算や申告については、税理士への相談も視野に入れるべきです。
PR mediaは、デジタル遺品の整理をきっかけに見えてきた実家や土地なども含め、引き継ぐ財産の今後を考えるための相談先です。
もしデジタル遺品やそれ以外の財産を含めて今後の扱いに迷っている方は、気になっている点を整理するところから始めてみてください。
\ 相続のアンケートに回答するだけ /
かんたん・スマホだけでOK!!
デジタル遺品整理に関するよくある質問

ここでは、デジタル遺品整理に関するよくある質問にお答えします。
参考:一般財団法人遺品整理士認定協会「遺品整理士とは?」
まとめ:デジタル遺品整理は正しい手順で、引き継ぐ財産は早めに相談を

デジタル遺品は、スマホやパソコンに保存されたデータだけではありません。ネット銀行や証券口座・SNS・サブスクリプションなど、インターネット上にも幅広く残っています。
そのままにすると、利用していないサービスの料金が発生したり、相続財産を見落としたりするおそれがあります。一方、故人のアカウントへ無断でログインするなど、避けるべき行為もあるため注意が必要です。
端末やサービスを一つずつ確認し、必要な情報を整理しながら進めましょう。
デジタル遺品を確認する過程では、実家や土地・生命保険など、ほかの財産について考える必要が出てくる場合もあります。しかし、焦って結論を出す必要はありません。
デジタルとそれ以外の財産を含め、何をどのように引き継ぐか、慎重に整理することが大切です。
PR mediaでは、不動産の評価や活用・売却などを含め、財産全体の選択肢を一緒に整理するサポートも行っています。
今後の方向性に迷っている方は、まずは1分のアンケートに登録し、現在の状況や気になっている点を整理するところから始めてみてください。
\ 相続のアンケートに回答するだけ /
かんたん・スマホだけでOK!!

